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プロスポーツ選手の逸失利益が争点となった事案

自営業者について修正申告所得額を基礎収入に採用

■死亡事故(判例024)
■確定年:2016年 和解
■横浜地方裁判所管轄内

被害者データ 37歳 ・男性 (プロスポーツ選手)
男性 プロスポーツ選手(事故時37歳) 自転車走行中、大型自動車に追突された事故 死亡

認められた主な損害費目

葬儀関連費用

約150万円

逸失利益

約5,770万円

死亡慰謝料(近親者分含む)

約3,000万円

その他

約6万円

損害額

約8,925万円

遺族基礎年金控除

-約140万円

*1)調整金

約1,215万円

最終金額

約1億円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当

詳細

加害者の主張

①原告(自営業者)の主張は、確定申告の際に経費を過大に申告していたものであるから、実際の所得は確定申告の額より多かったというものである。しかし、同確定申告によって税金を納めている以上、賠償請求の場面でのみ、経費を過少に申告することが許されるものではない。
②原告はプロスポーツ選手であり、就労可能年限(67歳)まで同収入が得られたとは到底認められない。

裁判所の判断

①確定申告によれば、原告の平均所得は約380万円であるが、同確定申告上経費を過大に申告していたことは証拠上明らかであるから、実際の所得は約570万円であったと認められる。したがって、約570万円を基礎に逸失利益を算定する。
②52歳までの15年間については、プロスポーツ選手として就労したものと認め、約570万円を基礎収入とする。その後67歳までの期間については、男子高卒平均賃金約466万円を基礎収入とする。
③被告は、トンネル内にも関わらず、前照灯を照射せず、制限速度を20㎞も上回る速度で自車を走行させ、原告に追突、死亡させている。このような悪質性に鑑み、死亡慰謝料は総額3,000万円を認める。

当事務所のコメント/ポイント

本件は、プロスポーツ選手という自営業者が被害者であった。そのため、①就労可能年限(引退の歳)、②確定申告上経費を過大申告していた点(所得を少なくしていた点)が問題となった。
まず、①の点について、被告からは、どんなに遅くとも44歳程度で引退していたとの主張が展開された。これに対して、当事務所では、同プロスポーツ選手の引退年齢等を資料に基づき立証したところ、52歳まではプロスポーツ選手として稼働することを前提に逸失利益が認定された。
次に、②の点について、一般的には、税務申告上経費を過大申告し納税を免れておきながら、賠償上実際の所得がそれよりも多かったと主張することは許されていない。しかし、本件では、経費に関する資料が残っていたことから、修正申告所得額について、一次資料をもとに丁寧に立証した結果、裁判所は修正申告所得額を基礎収入とすることを認めた。自営業者の場合、一次資料をもとに修正申告所得額を立証できる場合には、修正申告所得額を基礎収入とすることが認められる可能性があることは大いに参考となる。
いずれも、当事務所の丁寧な立証が裁判所に認められた結果であり、高額な逸失利益を獲得することができた。
また,死亡慰謝料についても,定額化の傾向がある中で,事故態様の悪質性を主張・立証した結果,基準より増額され,総額3,000万円が認められた。