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脊髄損傷1級の公務員被害者につき職場復帰の可否が争われた事案において,復帰不能の事実を立証し,総獲得額2億円超を獲得した事例。

加害者飲酒轢き逃げ運転を考慮し,きわめて高額な後遺障害慰謝料(近親者分含む)約4,440万円を認めさせた。

■重度脊髄損傷(判例021)
■後遺障害等級:1級1号 確定年:2016年 和解
■東京地方裁判所管轄内

被害者データ 53歳 ・男性 (公務員)
男性 受傷時53歳 公務員 被告が飲酒運転で自動車を運転中に路外へはみ出し,歩行していた原告に衝突した。その後被告は逃走(轢き逃げ)した。 脊髄損傷1級1号(高次脳機能障害もあり)

認められた主な損害費目

治療費

約520万円

付添看護料

約320万円

休業損害

約230万円

逸失利益

約6,620万円

将来介護費用

約5,280万円

将来介護機器等費用

約740万円

住宅改修費用

約730万円

傷害慰謝料

約410万円

後遺障害慰謝料

約3,640万円

その他

約310万円

損害額

約1億8,800万円

既払い保険金控除(任意)

-約3,280万円

自賠責保険金控除

-約4,000万円

近親者慰謝料

約800万円

*1調整金

約3,780万円

*2最終金額

約1億6,100万円

*1調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2自賠責保険金4,000万円を加えた総獲得額は約2億100万円である。

詳細

加害者の主張

①原告は事故後症状が落ち着いた後,医師の許可を得て,公務員として週3日ほど職場復帰して,事故前の2割程度ではあるが給与を受給している。したがって,労働能力喪失率は1級相当の100%ではなく,80%として逸失利益を算定すべきである。
②原告に対して必要な介護の程度は軽いのだから,将来介護費用としては,現に職業介護を利用している月額6万円程度を基礎に計約1,070万円は認めるが,それ以上は認められない。
③加害者による悪質な事故であることを踏まえて後遺障害慰謝料を増額するにしても,近親者分を併せて3,000万円が限度である。

裁判所の判断

①「原告が復職して給与を得ている」とする被告の主張は資料の誤読である。実際には原告は復職不能であり,復職プログラム(当然無給)に参加していたに過ぎず,しかも結局は後遺症のため復職できない結末となった。なお,被告が「給与」と主張する給付金は,勤務の対価ではなく,正しくは公務員給与条例に基づく療養中・休職中の金員に過ぎない。よって,原告の労働能力喪失率は100%として逸失利益を算定し,約6,620万円を認める。
②原告の症状は重度の脊髄損傷,及び高次脳機能障害が合併したものであり,身体機能の多くが失われていて,多くの日常生活上の行為について介助が必要である。現在主として介護を担う妻の負担はきわめて重い。既に職業介護も適宜利用してはいるが,妻も今後高齢になっていくことを踏まえれば,将来的にはさらなる職業介護の利用が不可欠である。したがって将来介護費用は,妻が67歳になるまでは日額8,000円,妻67歳以降は日額1万5,000円として計約5,280万円を認める。
②飲酒轢き逃げというきわめて悪質な事故であることを考慮し,近親者分を含めた後遺障害慰謝料は約4,440万円とする。

当事務所のコメント/ポイント

交通事故で脊髄損傷1級(さらに高次脳機能障害も)を負った被害者には,常時の介護が必要である。この事例では,特に被害者が「寝たきり」ではないことを根拠に,相手側から「介護負担は軽度である」という反論がなされた。そこで,我々において,被害者のあらゆる生活動作について必要な介護の内容とその負担の大きさについて丁寧に主張した結果,介護負担の重大さと手厚い介護態勢の必要性が裁判所にも認められた。そして,具体的な将来介護費用の算定については,妻67歳までは日額8,000円,妻67歳以降は日額1万5,000円という高額な基準を勝ち取ることができた。
また,逸失利益について,保険会社側は医療記録などの資料を自身に有利なように解釈し,「原告は復職している」などと実態に反する主張を展開したが,我々の丁寧な反論によって全面的に排斥することができ,逸失利益として約6,620万円を獲得することができた。
また,本件事故は加害者の飲酒轢き逃げという稀に見る悪質なものであることを踏まえ,我々において熱心な主張を行った結果,後遺障害慰謝料は近親者分を併せ,格別に高額な4,400万円超が認容されるに至った。
結果的に最終的な総獲得額は,自賠責保険金分も合わせると2億円を超え,特に高額なものとなった。