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「自宅介護は無理」という被告側の主張を緻密な立証で退けた例

実収入が少なくても平均賃金での逸失利益を認定

■高次脳機能障害(判例035)
■後遺障害等級:1級 確定年:2008年
裁判所認定額 約2億8,600万円
■山形地裁管内(判決)  仙台高裁管内(和解)

被害者データ 24歳 ・男性 (会社員)
■ 原告が運転する二人乗りの自動二輪車が交差点を直進中、対向の右折乗用車が衝突。原告は脳挫傷の重傷を負い、一時、遷延性意識障害となるが脱却し、現在は高次脳機能障害1級。 (山形地裁管内)

認められた主な損害費目

将来介護料 約1億4,000万円
逸失利益 約8,700万円
介護住宅建築費差額(被害者利用分) 約2,400万円
介護諸費用 約1,200万円
介護車両改造費 約500万円
後遺障害慰謝料 約3,000万
その他 約2,400万円
損害額
約3億2,200万円
過失15%控除後損害額
約2億7,300万円
弁護士費用
約2,200万円
調整金※
約4,500万円
総計
約3億4,000万円
既払控除
▲約5,400万円
最終金額 約2億8,600万円
 
 
近親者慰謝料
約280万円
弁護士費用
約30万円
調整金※
約40万円
近親者慰謝料総額
約350万円

(※遅延損害金相当額)

詳細

まず、争いになったのは過失割合です。典型的な交差点内での右直事故でしたが、被告側は直進していた原告側にも速度違反があったとして、40%の過失を主張してきました。しかし裁判所は、これを認めず、基本過失割合の15%と判断しました。次に問題となったのは、原告の逸失利益です。事故当時、原告の収入が少なかったため、被告側は平均賃金の7割で計算すべきだと主張してきましたが、我々は、収入面では高卒の平均賃金を使うことが妥当だと主張し、結果的にそれが認められました。 介護の形態も重大な争点でした。原告の家族は、すでに介護用の住宅を建築して自宅での介護をスタートさせていたのですが、被告側は、「自宅介護は無理。施設で見るべき」つまり、「住宅改造費は一切認めない」と主張してきたのです。しかし、我々は、その主張を覆すため、自宅介護が可能であることなどを十分に立証しました。その結果、裁判所は、職業介護日額2万4,000円、家族介護日額1万円、合計1億4,000万円という、極めて高額の介護料を認めたのです。さらに住宅改造については、新築住宅のうち被害者利用分約2,400万円と、極めて高額を認めた事案です。 (山形地裁管内)

認定額増加のポイント

実収入の少ない原告に対して、被告は平均賃金の7割で計算すべきだと主張してきたが、これを覆すことで、逸失利益は総額3,000万円のアップとなった。また、すでに介護用住宅を新築していた原告だが、これに対しても、自宅介護の必要性を詳細に立証した結果、裁判所は被害者利用分2,700万円のうち、2,400万円(9割)という高額な差額を認めた。本件の場合、一審判決では総額3億1,700万円の賠償額が認められたが、被告が控訴。結果的に高裁では、2億9,000万円での和解となった。しかし、判決になった場合、過失割合が原告にとって不利なかたちで動く可能性もあったので、結果的には好条件での和解になったといえるだろう。ちなみに、遅延損害金と弁護士費用は合計6,700万円となり、和解でありながら損害額の約25%という高額が加算されている。