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高次脳7級年少女性、基礎収入を男女全年齢平均賃金で算定し約3,700万円の逸失利益が認定された事例

被害者の飛び出しが争われるも和解において飛び出し事実は認められないとされた事例

■高次脳機能障害(判例111)
■後遺障害等級:7級 確定年:2012年和解
■さいたま地方裁判所管内

被害者データ 10歳 ・女性
受傷時10歳・症状固定時13歳・女性 ②道路横断中の被害者に対し、前方不注視の加害車両が衝突した ③高次脳機能障害7級

認められた主な損害費目

逸失利益

約3,700万円

傷害慰謝料

約100万円

後遺障害慰謝料

約1,000万円

その他

約180万円

損害総額

4,980万円

過失相殺(10%)

-約500万円

損害填補(任意)

-約240万円

損害填補(自賠責)

-約1,050万円

調整金(※1)

約1,210万円

和解金額

4,400万円

  ※1遅延損害金、弁護士費用等を含む
※2訴訟前に既に獲得していた自賠責保険金約1,050万円に加えて、訴訟後に人身傷害保険金として被害者の過失分相当額の約500万円も当事務所が請求し獲得した。これらを合わせた総額は約5,950万円となる。

詳細

加害者の主張

①被害者は本件事故現場である道路に突如飛び出してきたものであり、これにより加害者は回避困難であったとして相当な過失相殺がなされるべきと主張。
②治療期間中の両親の付添費についても不要であるとして争った。

裁判所の判断

①相手方の主張に対して、当方からは具体的な事故現場の状況から、相当の距離を被害者が横断してから衝突していることなどを指摘し、急な飛び出しという事実ではないことや、加害者の指示説明のみによる刑事記録について信用できないことを指摘した。これにより、裁判所和解案でも被害者による飛び出しの事実は認められず、被害者が児童であったことなどを有利に考慮して、過失割合は1割に留められた。
②入院中の付添費用については、被害者が当時10歳と幼かったこと、入院中に身体に装着された器具等を夜間に外してしまうことから両親のいずれかが泊まり込みで看護する必要があったこと、通院についても幼いため一人では難しく付添いが必要であったこと、自宅でもてんかん発作等に備えるために被害者を一人にはできない状況であったことなどを詳細に主張立証した。裁判所和解案でも相当額が認容された。
③裁判所は、当初の和解案では確定遅延損害金(自賠責保険金受領日までの生じている遅延損害金)を考慮せず、約3,600万円を提示していたが、これに対して、当方より判決となった場合には、相当な確定遅延損害金を考慮しなければならないことを説明し、裁判所を説得した。その結果、最終的に約800万円もの増額となった。

当事務所のコメント

①高次脳機能障害等の重度の障害を負った場合や、若年者の場合、自身では事故態様を覚えていない、説明できない等の事情から警察が作成する実況見分調書が専ら加害者側の指示説明のみによって記載されてしまうケースが多々あります。その場合でも、客観的な証拠との対比などによって、加害者の主張が信用できないということを適切に立証していくことで、本件のように被害者の飛び出しという相手の主張を斥けることができました。
②入院中については、看護師による完全看護であるから両親による看護はあまり必要ではないといった反論などがなされる場合もあります。他方で、やはり本件の被害者のように12歳以下の児童については、精神的ショックも大きく両親等の近親者による付添いが認められるべきであると言えます。
③遅延損害金の考え方等、裁判所による法律論の判断についても、そのまま鵜呑みにするのではなく、十分に議論をして適切な判断がなされるように裁判所とも協議をすることが重要であると言えます。
④また、本件では訴訟で認められた損害総額をベースに過失相殺によって減額された約500万円についても人身傷害保険金の請求をおこない、賠償金を出来る限り確保することができました。