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高次脳機能障害

高次脳1級の事案において総獲得額3億円超を獲得した例

逸失利益約6150万円に加え,高額な将来介護費用約1億2980万円を認めさせた。

■高次脳機能障害(判例121)
■後遺障害等級:1級1号 確定年:2013年 和解
■千葉地方裁判所管轄内

被害者データ 20歳 ・女性 (アルバイト)
女性 受傷時20歳 アルバイト社員(就職活動中)
原告が二輪車で道路走行中,背後から居眠り運転の被告自動車に追突された。
脳外傷による高次脳機能障害1級1号(四肢麻痺もあり)

認められた主な損害費目

付添看護料

約550万円

休業損害

約460万円

逸失利益

約6,150万円

将来介護費用

約1億2,980万円

将来介護用設備等費用

約1,430万円

住宅改造費用

約1,000万円

傷害慰謝料

約540万円

後遺障害慰謝料

約3,200万円

その他

約3,540万円

損害額

約2億9,850万円

既払い保険金控除(任意)

-約3,830万円

自賠責保険金控除

-4,000万円

近親者慰謝料

約400万円

*1調整金

約4,080万円

*2最終金額

約2億6,500万円

*1調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2自賠責保険金4000万円を加えた総獲得額は約3億0500万円である。

詳細

加害者の主張

①原告は事故当時,アルバイトについては退職予定だったのであるから,退職予定日以降の休業損害は発生しない。
②原告の学歴は高卒で,事故当時もアルバイトとしての就労歴しかなかったのだから,就職先を見つけるのは困難だったのであり,逸失利益は減額すべきである。
③原告はいわゆる「寝たきり」ではないから,高次脳機能障害1級とはいえ症状はやや軽めであり,高額な将来介護費用を認めるべきではない。

原告の反論

①原告は事故当時20歳と若く,正社員になるべく就職活動中だったのであり,事故にさえ遭わなければ就労先が見つかっていたと考えられるのだから,原告に休業損害の発生が認められるべきである。
②原告には就労意欲があり,またそもそも女子の場合は統計上の平均賃金額もそれ程高額ではなく,さらには将来結婚して主婦として家事労働に従事し経済的価値を創出する蓋然性もあったのだから,逸失利益を減額すべきではない。よって,統計上の女子全年齢平均賃金を基礎に逸失利益を算出すべきである。
③原告の症状は高次脳機能障害と四肢麻痺が併存し,あらゆる日常生活上の行為について介助が必要であり,常時1名の介護者に加えてさらに随時もう1名の介護者による介護態勢が不可欠である。したがって将来介護費用は,退院し自宅に戻るまでの症状固定後2年間は日額6500円,固定から3年目~母親が67歳になるまでは日額1万8000円,母親67歳以降は日額2万4000円とすべきである。

・最終的にこれら3点について原告の主張に沿った内容での和解が成立。

当事務所のコメント/ポイント

交通事故で高次脳機能障害1級を負った被害者には,常時の介護が必要である。この事例では,特に被害者が「寝たきり」(遷延性意識障害)ではないことを根拠に,相手側から「介護負担は軽度である」という反論がなされた。そこで,我々において,被害者のあらゆる生活動作について必要な介護の内容とその負担の大きさについて丁寧に主張した結果,介護負担の重大さと手厚い介護態勢の必要性が裁判所にも認められた。そして,具体的な将来介護費用の算定については,母親67歳までは日額1万8000円,母親67歳以降は日額2万4000円というきわめて高額な基準を勝ち取ることができた(その結果,将来介護費用合計額は約1億2,980万円と特に高額となった。)。
さらに,相手側から原告が高卒アルバイトであることを根拠に休業損害と逸失利益を大幅に減額すべきとの主張がなされたことに対しては,我々において就労意欲のある若年女子に対する裁判実務上の適切な取扱いについて的確に指摘した結果,十分な休業損害と,統計上の女子全年齢平均賃金を基礎とした逸失利益を裁判所に認めさせた。
結果的に最終的な総獲得額は,自賠責保険金分も合わせると3億円を超え,格別に高額なものとなった。

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