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高次脳機能障害

高次脳2級60代女性につき将来介護料を含めて1億7,000万円を超える高額賠償を獲得した事例

将来被害者と家族が同居するための新築住宅の建築費用について加害者は300万円が賠償の範囲であると争ったが建築費用のうち1,500万円が損害として認められた。職業介護の必要性が争点となったが当方の主張立証により7,000万円以上の将来介護費用が認められた。

■高次脳機能障害(判例133)
■後遺障害等級:2級 確定年:2013年和解
■仙台地方裁判所管内

被害者データ 59歳 ・女性 (家事従事者)
受傷時59歳・固定時61歳 女性(家事従事者)
時速20kmの速度超過でブレーキ操作を誤ってスリップした加害車両が
センターオーバーをして対向車線を走行中の被害車両に衝突した
高次脳機能障害2級

認められた主な損害費目

休業損害

約450万円

逸失利益

約3,080万円

傷害慰謝料

約360万円

後遺障害慰謝料

約2,370万円

症状固定までの付添看護料

約300万円

将来付添費

約7,750万円

住宅費用

約1,500万円

その他

約1,390万円

損害総額

17,200万円

損害填補(任意保険)

-約1,700万円

損害填補(自賠責)(※2)

-約3,000万円

近親者慰謝料

約500万円

調整金(※1)

約4,500万円

総合計額

17,500万円

  ※1事故発生から約5年の期間が経過したことによる遅延損害金と弁護士費用を含む
※2訴外獲得の自賠責保険金約3,000万円を合わせて総額2億円を超える金額での解決となった。

詳細

加害者の主張

①被害者は行動範囲も制限されており慣れた自宅環境下ではある程度手すりなどを設置するなど環境整備を行っておれば常時の看視・声掛けは不要であるから職業介護人は必要ないとして、将来介護費用を争った。
②将来家族と被害者とが居住するための新築費用について、現在居住しているマンションなどでも日常生活を送ることは可能であるから、その改造費用の限度で足りると主張し、被害者の新築費用の見積もり額約4,000万円のうち被害者のために必要な範囲は約300万円程度であると争った。

裁判所の判断

①当方からは、将来介護費用に関して、被害者は、高次脳機能障害により身の回りの動作能力も相当制限されていること、自発性の低下が著しく、注意力もかなり低下していることから日常生活上全面的な介護が必要であること、また人格変化や妄想などもあり介護の負担が相当重度となることを、医師の意見書や、実際の被害者の状況を撮影した資料、介護負担が増えたことで減収が生じている家族の状況などに基づいて丁寧に立証した。その結果、裁判所和解案でも家族による介護負担からして職業介護人が必要になることを前提とした介護料が認められ、将来介護費として7,000万円以上が認められた。
②上記の被害者の状況からして、事故後に一時的に賃貸していたマンションでは室内の車いす移動ができず、また賃貸であることから自由にバリアフリー化できないという状況であることから、加害者側の現在の住居をベースとした指摘はまったく妥当ではないことを主張立証した。その結果、裁判所も和解案において新築費用のうち介護に必要な範囲を1,500万円として賠償の対象と認めた。

当事務所のコメント

①請求時に、被害者のご家族の方が中心となって介護を行っている場合、加害者側から介護の負担は大きくなく職業介護は必要がないといった主張がなされることがあります。しかしながら高次脳機能障害に対する介護は、身体的な介護に留まらず、注意力の低下や自発性の低下、あるいは人格変化や妄想などの外部からは見えにくい障害によって相当な介護負担の増大が生じているという状況が存在します。そのため、訴訟においてしっかりと職業介護人の費用についても賠償を受けるためには、被害者の方の障害の内容や日常生活上の支障を具体的に裁判所に対して立証し、ご家族が相当負担を強いられているという現状を伝えていくことが重要となります。本件でも、被害者の生活状況やご家族の状況を証拠に基づいて緻密に立証した結果、和解案において職業介護人を前提とした将来介護費用が認定されました。
②住宅改修費用とくに新築費用については、通常、その全額が賠償として認められることは難しいと言えます。ご家族もご一緒に生活される以上、被害者ご本人の介護に直接必要な範囲を超えた部分は賠償の対象とはならないからです。本件では、当方からは総額の約5割程度が賠償されるべきであると主張していたのに対して、加害者側は1割にも満たない程度が相当な範囲だとして争いました。
当事務所では多くの住宅改修を行っている被害者の賠償を支えてきた実績があります。その経験から裁判において費用の相当性を立証するために必要な証拠を確保して立証したことで、本件では1,500万円について住宅費用が賠償されることになりました。

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