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身体障害に焦点が当たり,高次脳が見過ごされていた事例

事故から10年近く経過後に高次脳と診断

■高次脳機能障害(判例135)
■後遺障害等級:3級、併合2級 確定年:2013年 和解
■札幌地方裁判所管轄内

被害者データ 8歳 ・男性 (小学生)
男子 事故時小学生 受傷時8歳 症状固定時17歳 道路を横断歩行中,加害車両に轢かれる 高次脳機能障害3級,下肢短縮13級により併合2級

認められた主な損害費目

付添看護料

約1,130万円

治療費

約500万円

傷害慰謝料

360万円

逸失利益

約9,050万円

将来介護料

約2,090万円

後遺障害慰謝料

約2,370万円

その他

約400万円

損害額

約1億5,900万円

自賠責保険金控除

-2,358万円

その他既払金

-約1,750万円

*1)調整金

約4,050万円

最終金額

1億5,870万円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)自賠責保険金2,358万円を加えて,総額約1億6,200万円を獲得した。

詳細

争点

①3級という自賠責の認定の妥当性
②親元を離れて生活していた原告に介護料が認められるか

加害者の主張

①等級について
原告は,事故後,小学校,中学校において他の子と何ら変わりなく生活し,かつ,好成績をおさめて卒業した。さらに,高校を受験して入学し,現在も専門学校に通って好成績をおさめているなど,客観的には何らの問題も認められない。したがって,記憶力,注意力に多少の低下が疑われることを最大限考慮しても,原告の高次脳機能障害は,自賠責認定の3級ではなくして7級にとどまるものである。
②介護料について
原告は高校生の頃から親元を離れて日常生活を送っており,日常生活動作が自立していることは明らかである。毎日の看視,声掛けが必要だとの事実は全く認められず,将来介護が必要な事情は一切ない。

裁判所の判断

①等級について
当事務所において,原告の記憶障害が重度であること,理解力,判断力も低下しており,高校生となって勉強が難しくなってから高次脳機能障害が特に顕在化したものであることを丁寧に主張した結果,裁判所は,原告の高次脳を自賠責認定のとおり3級であると判断した。
②介護料について
原告が家庭ないし下宿先でおよそ普通に生活ができていたのは,母による献身的な見守りがあったからである。そして,原告のADLが自立しているとは言え,記憶力,理解力の低下,感情のコントロールが難しいことについて,家族のサポートが欠かせず,その看視,見守りについて,日額3,000円の介護料を認める。

当事務所のコメント/ポイント]

①総括
本件の被害者は,小学生の頃に事故に遭い,重篤な身体障害及び脳外傷を負ったが,医師を含め,身体障害のみに着目したため,脳外傷による高次脳機能障害の存在が見過ごされたまま,高校生まで成長した。その間,小学校,中学校を好成績で卒業し,高校受験にも合格した(本人,ご家族の並々ならぬ努力,周囲の支えによる。)。しかし,高校入学後,高次脳機能障害の症状が顕在化し,当事務所のサポートのもと,高次脳機能障害3級という適切な認定を受けることができた。これまで必死で息子のことを支えてきた依頼者(母)からは,やっと肩の荷がおりたような気がしましたと大変喜ばれた。
高次脳機能障害は,記憶力,理解力等が低下するが,小学生の頃までは,普通学級に通えてしまうことが往々にしてある。しかし,中学,高校と進学していくにつれ,高度な学習,周りの子供の成長にはついていけなくなってしまう。
また,高次脳機能障害の存在が,医療の現場でも比較的周知されてきたとは言え,現在においても,高次脳機能障害の存在が見落とされたまま過ごされている方はたくさんいる。周りが何かおかしいと思った場合には,当事務所のような専門的な弁護士,あるいは専門的な医療機関に相談されることをお勧めする。

②介護料
原告は親元を離れて生活していたとはいえ,実態としては,母が原告の下宿先に足しげく通い,献身的なサポートをしていたのであった。裁判ではそのような実態を丁寧に主張した結果,日額3,000円の介護料が認められた。
高額な介護料が認定されるためには,介護実態の丁寧な立証が必要であり,当事務所の最も得意とするところの一つである。