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高次脳3級(併合1級)の事案において高額な将来介護費用約6250万円を含む総額1億6000万円超を獲得した例。

過失相殺及び将来介護費用について保険会社側の主張をいずれも退けた。

■高次脳機能障害(判例138)
■後遺障害等級:3級3号、併合1級 確定年:2014年 和解
■横浜地方裁判所管轄内

被害者データ 30歳 ・女性 (会社員)
女性 受傷時30歳 会社員 原告が信号のない交差点を自転車で直進通過しようとしたところ,交差道路から同交差点に直進進入してきた被告自動車に衝突された。なお,原告自転車には一時停止義務違反が,他方被告自動車には一方通行違反がそれぞれ存在した。 併合1級(脳外傷による高次脳機能障害3級3号,視力障害8級,外貌醜状12級15号)

認められた主な損害費目

付添看護料

約500万円

休業損害

約1,160万円

逸失利益

約6,100万円

将来介護費用

約6,250万円

傷害慰謝料

約420万円

後遺障害慰謝料(近親者分も)

約3,000万円

その他

約2,740万円

損害額

約2億0,170万円

過失15%控除後

約1億7,140万円

既払い金控除(任意保険,労災,年金)

-約4,530万円

自賠責保険金控除

-3,000万円

*1調整金

約3,390万円

*2最終金額

約1億3,000万円

*1調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2自賠責保険金3000万円を加えた総獲得額は約1億6000万円である。

詳細

加害者の主張

①原告は事故当時一時停止義務に違反したのみならず,イヤホンを耳に装着しながら自転車を運転していた事実もあるから,原告の過失は軽くなく,45%の過失相殺をすべきである。
②原告の高次脳機能障害はそもそも3級に過ぎず,具体的状況としては1人で留守番をしている時もある。原告に必要な介護と言えば外出時の見守り程度であるから,将来介護費用はきわめて低額なもので足りる。

裁判所の判断

①原告には一時停止義務違反が認められるが,他方で被告自動車の一方通行違反も重い過失であるから,過失相殺は15%が相当である。原告がイヤホンを装着していた事実は,被告側の過失の重さと比べれば軽度の過失に過ぎないから,過失相殺率を引き上げる理由にはならない。
②原告は高次脳機能障害の影響で重度の記憶障害や知力低下,自発性の低下や易怒性が残存しており,1人で外出することも全くできない。このような原告に対しては,日常生活における多くの動作について介助が必要であり,生活全般の管理も全て周囲が代替しなければならない。したがって,原告の将来介護費用については,母親が67歳になるまでは日額7000円,母親67歳以降は日額1万円が相当である。

当事務所のコメント/ポイント

交通事故で高次脳機能障害を負った被害者のうち,自賠責保険の後遺障害等級が3級に留まった場合,保険会社側から「介護は不要(もしくはごく安価な介護費用で足りる)」とする主張が往々にして出されることになる。
この事例でも同じような主張が相手側から出されたため,我々において,被害者のあらゆる生活動作について必要な介護の内容とその負担の大きさについて丁寧に主張した。特に本件被害者については記憶力障害が著しく重篤である事実を強調した結果,介護負担の重さが裁判所にも認められ,母親67歳までは日額7000円,母親67歳以降は日額1万円という,高次脳3級としては高額な基準の将来介護費用を勝ち取った。
また,過失相殺についても,被害者の過失ばかりを強調する相手側に対して適切な反論を尽くした結果,相手側の45%主張を退け,過失相殺率15%との判断を勝ち得た。
結果として最終的な総獲得額は,自賠責保険金分も合わせると約1億6000万円に達し,やはり高次脳3級としては高額なものとなった。