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高次脳3級被害者の将来介護料を日額8000円の高額な基準で勝ち取り,67歳としては高額な総獲得額約9800万円に達した例。

加害者の主張 ①本件事故は信号のない交差点における横断自転車と直進自動車の衝突事...

■高次脳機能障害(判例139)
■後遺障害等級:3級1号、併合2級 確定年:2014年 和解
■東京地方裁判所管轄内

被害者データ 67歳 ・女性 (兼業主婦)
女性 受傷時67歳 兼業主婦 原告が信号のない交差点を自転車で横断中,道路上を走行してきた被告自動車に衝突された。 併合2級(脳外傷による高次脳機能障害3級1号,脾臓機能障害13級11号)

認められた主な損害費目

休業損害

約450万円

付添看護料

約330万円

逸失利益

約1,870万円

将来介護料

約3,740万円

傷害慰謝料

約110万円

後遺障害慰謝料

約2,400万円

その他

約210万円

損害額

約9,110万円

*1過失30%控除後

約6,380万円

自賠責保険金控除

-2,358万円

既払い保険金控除(任意)

-約180万円

*2調整金

約870万円

*3最終金額

約4,710万円

*1過失相殺分約2730万円は人身傷害保険金から塡補され,実質無関係。
*2調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当。
*3自賠責保険金2358万円,人身傷害保険金約2730万円を加えた総受取額は約9800万円である。

詳細


加害者の主張

①本件事故は信号のない交差点における横断自転車と直進自動車の衝突事故であることに加え,車道脇の縁石の位置関係に鑑みれば,被告が原告自転車の横断を予測することは余計に難しかったのだから,被告の過失は重いとは言えず,50%の過失相殺をすべきである。
②原告の高次脳機能障害は,原告が事故前から服用していた抗血栓薬の影響や,事故前から存在していたかも知れない大脳白質病変によって,本来よりも悪化している可能性があるから,原告の損害に対しては素因減額をすべきである。
③原告の高次脳機能障害はそもそも3級に過ぎず,時々見守りさえすれば普通に日常生活を送ることが可能であるから,将来介護費用の賠償は認められない。

裁判所の判断

①被告は運転中,縁石の位置関係までいちいち把握していなかったと思われるから,縁石の存在を理由に被告の過失を軽くすることはできず,過失相殺は30%が相当である。
②素因減額をするためには,原告の障害にかかる既往症の影響等の存在を被告から立証する必要があるが,被告は「可能性」を述べるのみで,原告側に素因が存在する事実を立証できていない。よって素因減額は認めない。
③原告は高次脳機能障害の影響による危険行動や問題行動が多く見られ,家族による日常的な見守りや声掛けが欠かせない。このような原告に対する介護の負担は十分に重いものであるから,日額8000円の将来介護費用を認める。

当事務所のコメント/ポイント

交通事故で高次脳機能障害3級等併合2級を負った被害者に対し,相手側からは「事故前の服薬や病変による影響がある」ことを根拠とした素因減額の主張,及び「多少の見守り以上の介護は必要ない」との主張が相次いでなされた。
これらに対し,我々においてはまず相手側の素因減額主張が医学的に根拠不十分であることを指摘し,さらに被害者に対する現実の介護負担の重さを丁寧に主張立証した結果,裁判所は素因減額を否定した上で,将来介護費については高次脳3級としては高額な日額8000円(合計約3740万円)を認定した。
また,過失相殺についても相手側の不合理な主張に鋭く反論し,過失相殺率は相手側主張の50%を排斥して30%とした。この過失相殺分については,被害者家族がかけていた人身傷害保険金を適切に請求したため,過失相殺分は人身傷害保険金から塡補され,結果として総取得額は自賠責保険金及び人身傷害保険金を併せて約9800万円と,高次脳3級で高齢被害者の事案としてはきわめて高額になった。