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高次脳機能障害の発症を争う保険会社側の主張に対して,最初の入院先における主治医による高次脳見落としが存在した事実を立証し,この主張を排斥した。

さらに高次脳7級ながら症状に鑑み将来看護料を損害として認定させた事例。

■高次脳機能障害(判例151)
■後遺障害等級:19歳 確定年:2015年 和解
■大津地裁管内

被害者データ 7級4号、併合6級 ・女性 (派遣社員)
女性 受傷時19歳 派遣社員 原告が単車で走行中,道路前方を走行しながら路外のガソリンスタンドへ入ろうと急に左折した被告自動車を避けることができず衝突した。 併合6級(脳外傷による高次脳機能障害7級4号,嗅覚障害12級相当)

認められた主な損害費目

付添看護費(将来の看護費用含む)

約550万円

休業損害

約810万円

逸失利益

約4,070万円

傷害慰謝料

約200万円

後遺障害慰謝料

約1,300万円

その他

約120万円

損害額

約7,050万円

過失10%控除後

約6,340万円

既払い保険金控除後(任意)

-約750万円

自賠責保険金控除

-約1,275万円

*1調整金

約1,890万円

*2最終金額

約6,200万円

*1調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当。
*2自賠責保険金1275万円を加えた総受取額は約7,480万円である。

詳細

加害者の主張

①原告が事故直後に搬送され入院した病院では,高次脳機能障害の診断がされなかった。これは,原告に脳障害がなかったからである。
②原告は退院後,一時期アルバイトをしたり,また結婚・出産を経験して,周囲とコミュニケーションを取ったり,自ら育児に努めたりしているのだから,やはり原告に高次脳機能障害は存在しない。

原告の反論

①最初の入院先病院が高次脳機能障害の診断をしなかったのは,高次脳機能障害(医師であっても見落としがちな症状である。)の医学的知見を十分に有しておらず,見落としたからである。
②原告は事故後のアルバイトで無断遅刻や無断欠席が頻発するなど,むしろアルバイトでの状況からは高次脳機能障害の影響が出現していたことが明らかである。また,「高次脳機能障害があると結婚・出産ができるはずがなく,最低限の意思疎通もできないはずだ」という被告の主張は,具体的な高次脳7級認定基準に基づかない偏見に過ぎない。被告の主張は,原告の高次脳機能障害(7級)認定事実を覆す根拠になっていない。

・最終的にこれら2点について原告の主張に沿った内容での和解が成立。また,原告の反論②記載の事情に鑑み,将来看護料を損害として認定した。

当事務所のコメント/ポイント

本件は何より,事故直後に被害者が救急搬送された先の病院で,高次脳機能障害が見落とされたことが議論の対象となった。そのため,高次脳機能障害について十分な知見を有する我々において,たとえ医療関係者であっても高次脳機能障害を見落としやすい実情を丁寧に説明し,現に高次脳機能障害のために日常生活に大きな影響が生じていることを主張立証した結果,裁判所は保険会社側の主張を退けて被害者の高次脳機能障害を認めた。
また,日常生活上の支障に関する主張立証内容も十分に斟酌された結果,高次脳7級では異例である将来看護料も損害として認定を得ることができた。その結果,後遺障害6級ながら,総取得額としては自賠責保険金を併せて約7480万円という高額に達した。
高次脳機能障害は,病院にとっても家族にとっても見落としやすい症状であるため,家族においても十分に注意した上で,気になることがあれば専門的知見を持つ弁護士に相談すべきであることが,本事案によって特に示されているものと言えよう。