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被害者の事故後就労を理由とする加害者側の9級主張を排斥し,被害者の高次脳機能障害を自賠責同様5級認定させた事例。

高次脳5級の若年被害者ながら総獲得額として高額な1億円近くに達した。

■高次脳機能障害(判例165)
■後遺障害等級:5級2号 確定年:2017年 和解
■京都地裁管内

被害者データ 18歳 ・男性 (高校生)
男性 受傷時18歳 高校生(専門学校進学決定済み) 原告がバイクで信号のない交差点を直進中,対向車線から右折してきた被告自動車に衝突された。 脳外傷による高次脳機能障害5級2号

認められた主な損害費目

治療費

約160万円

付添看護費

約40万円

学費損害

約80万円

逸失利益

約6,960万円

傷害慰謝料

約220万円

後遺障害慰謝料

約1,440万円

その他

約50万円

損害額

約8,950万円

*1過失15%控除
控除後

-約1,340万円
約7,610万円

既払い保険金控除後(任意)

-約210万円

*2調整金

約1,200万円

*3最終金額

約8,600万円

*1過失相殺分は人身傷害保険金から塡補され,実質無関係。
*2調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当。
*3人身傷害保険金約1,340万円を加えた総受取額は約9,940万円である。

詳細

加害者の主張

①原告が事故後専門学校に進学した後,最終的に退学をした点については,高次脳機能障害との因果関係が不明であるから,専門学校での学費損については損害として認められない。
②原告は事故後,7箇所の勤務先で就労しており,給与を受給していたという事実を踏まえれば,原告の高次脳機能障害について5級(労働能力喪失率79%)とした自賠責保険の等級認定は過大であり,実態は9級程度(労働能力喪失率35%)に過ぎない。

原告の反論

①原告は高次脳機能障害の影響で,感情をコントロールできず他者とのコミュニケーションを図ることが難しいため,協調作業ができない状態である。こうした影響のため専門学校を退学に追い込まれたのであるから,学費損は紛れもなく後遺障害に起因する損害として認められるものである。
②事故後原告が7箇所で就労したということは,それだけ転職を繰り返すことを余儀なくされた事実を意味するのであって,要するに1つの職場で継続して働くことが高次脳機能障害のため難しくなってしまったというのが実態である。このように原告の就労能力は障害のため著しく低下しているのだから,原告の高次脳機能障害はまさしく自賠責保険の認定通り5級に該当する

・最終的にこれら2点について原告の主張に沿った内容での和解が成立。

当事務所のコメント/ポイント

交通事故による高次脳機能障害について,自賠責保険で認定された等級を加害者側(保険会社側)弁護士が争ってくる事態はしばしば見られるところである。この事例では,自賠責保険による5級の認定に対し,保険会社側からは「9級程度」との主張がなされた。
そこで我々においては,被害者の事故後の就労の様子について,ご家族及び各職場関係者から細かい事情を聴き,被害者が高次脳機能障害の影響で職を転々とせざるを得ず苦労を強いられている実態を丁寧に分析の上主張立証に努めた。その結果,裁判所も自賠責保険の認定通り,原告の高次脳機能障害が5級相当であることを認めたのである。
加えて被害者家族がかけていた人身傷害保険金も適切に請求した結果,過失相殺分が適切に補填され,高次脳機能障害5級ながら総取得額としては人身傷害保険金を併せて約9,940万円ときわめて高額になった。