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遷延性意識障害1級10代男性につき逸失利益約9,500万円が認められ、自賠責を合わせて総額3億円以上の高額な賠償を獲得した和解例

・介護料を近親者67歳までは日額1万5000円、以降は日額2万円と認定した事例 ・自宅改造費用として高額な1,700万円を認定した事例

■遷延性意識障害(判例028)
■後遺障害等級:1級 確定年:2014年和解
■東京地方裁判所管内

被害者データ 16歳 ・男性 (学生)
受傷時16歳・症状固定18歳・男性(学生) 信号機のない交差点で被害者が同乗していたバイクが交差道路を直進してきた車両と出会い頭衝突したもの 遷延性意識障害1級

認められた主な損害費目

逸失利益

約9,500万円

傷害慰謝料

約450万円

後遺障害慰謝料

約3,000万円

将来介護費用

約1億1,900万円

介護住宅費用

約1,700万円

介護機器費用

約2,400万円

介護雑費

約1,400万円

成年後見関係費用

約600万円

その他

約1,530万円

本人損害総額

32,480万円

過失相殺(15%)

-約4,880万円

損害填補(任意)

-約1,280万円

損害店舗(自賠責)(※2)

-約8,000万円

調整金(※1)

約3,680万円

和解金額

22,000万円

  ※1遅延損害金、弁護士費用等を含む
※2本件は、事故の加害車両が2台存在したことから加害者それぞれが契約していた自賠責保険に対して被害者請求を行い、合計約8,000万円の自賠責保険金を訴外で獲得した。これを合わせると総額約3億円での解決となる。

詳細

加害者側の主張

①介護住宅費用について、被害者が事故前の自宅を離れて病院近くに父母とともに新居を建てて在宅介護を行っている状況を指摘し、カルテに記載されている病院側との今後の相談内容などから病院近くに新居を建てて転居しなければならない必然性がなく、祖父所有の元の自宅を改造すれば足りるはずであるとし、住宅改造費用の鑑定書などに基づき1,200万円程度が相当であると主張した。
②被害者と家族が選択した介護体制は利用料の単価が高く不合理であるなどとして、日額1万2,000円~1万4,000円程度であると主張した。

裁判所の判断

①当方からは遷延性意識障害の被害者について通常の介護体制よりも注意すべき点が多くあること、加害者側の住宅費用の鑑定書にはそれらの点を十分に考慮されていない部分があることを指摘し、また、祖父所有の自宅は、今後の祖父の状況の変化によっては必ずしも被害者が居住継続できるものかわからないというリスクがあることから、新居を用意した被害者と家族の意思決定は合理的であることなどを詳細に主張立証したところ、裁判所和解案でも、約1,700万円という高額な住宅費用が認められた。
②医療記録や被害者の家族からの聴取内容をもとに、被害者の障害像、そこから必要となる介護負担、あるべき介護体制を詳細かつ丁寧に主張立証し、近親者介護を行う母が67歳(一般的な就労可能年齢)を迎えた以降の介護について、母が介護の主力にはなれず職業介護人の介護を全般的に受ける必要があることを主張した。その結果、裁判所は和解案において、母67歳までは日額1万5,000円、以降は日額2万円の介護費用を認めた。
③上記のように各争点について、緻密に主張立証をしたことで、自賠責保険金約8,000万円と合わせて約3億円という高額な賠償金を獲得した。

当事務所のコメント

①在宅介護を選択した場合、被害者の障害に応じてリフォームやバリアフリー化などの介護住宅費用が損害として認められます。一般的には、新築の場合、その新築費用全額ではなく、特に介護のために必要となった通常の住宅費用からの増額部分が賠償の対象となります。
相手方からは、本件のように鑑定書などが提出され、バリアフリー化や介護設備などの費用のみに限定しようとする主張がなされることが少なくありません。しかしながら、実際には、介護をスムーズに行うために動線を確保したり、廊下を広くするなど、介護のための設備そのもの以外にも、建築設計全体にわたっての工夫による増額が発生しています。当事務所では、多くの在宅介護を選択された被害者とご家族の方々の賠償をサポートしてきた実績があります。本件でも、詳細な主張を行ったことで、加害者側の指摘を排斥し、高額な住宅費用が認められました。
②本件では、加害者側からは、より実費が抑えられるような制度利用の選択があるはずだという主張が行われました。しかしながら、実際に被害者にとって最も望ましい介護体制を選ぶことができるのは、ご本人とそのご家族です。当然ながら、賠償実務上の基準というものは存在しますが、当事務所では、そうしたご家族の実情、意思決定を尊重し、できる限り、賠償額のその内容、介護実態が適正に反映されるよう、これまでの豊富な経験を生かして証拠収集、主張立証の検討を行います。本件は、そうした緻密な立証活動が高額な和解の成立に繋がった好例と言えます。