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遷延性意識障害1級被害者の将来介護料を,職業介護利用前提に日額1万8000円の高額基準で認定させ,総獲得額約2億6000万円に上った例。

過失相殺は相手側主張50%を排斥し,30%とした。

■遷延性意識障害(判例033)
■後遺障害等級:1級1号 確定年:2015年 和解
■東京地方裁判所管轄内

被害者データ 16歳 ・男性 (高校1年生)
女性 受傷時16歳 高校1年生 被告自動車が優先道路側から交差点に直進進入した際,自動車内の時計に気を取られ脇見運転を行ったために,ちょうど交差点の自転車横断帯上を自転車で横断していた原告に気が付かず,そのまま衝突した。 脳外傷による遷延性意識障害1級1号

認められた主な損害費目

付添看護料

約400万円

逸失利益

約7,470万円

症状固定後入院費及び付添費

約810万円

将来介護料

約1億0,870万円

住宅建築費用

約540万円

介護車両費用

約400万円

将来介護用機器等費用

約1,480万円

傷害慰謝料

約480万円

後遺障害慰謝料(近親者分も)

約3,100万円

その他

約1,860万円

損害額

約2億7,410万円

*1過失30%控除後

約1億9,190万円

自賠責保険金控除

-4,000万円

既払い保険金控除(任意)

-約2,690万円

*2調整金

約4,500万円

*3最終金額

約1億7,000万円

*1過失相殺分約8220万円について,うち人身傷害保険金から5000万円が塡補されるため,実質上の相殺額は約3220万円となった。*2調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当。 *3自賠責保険金4000万円,人身傷害保険金5000万円を加えた総受取額は約2億6000万円である。

詳細

加害者の主張

①事故当時,原告自転車の速度は時速20km程出ており,あまりにも高速で自転車を運転した原告の過失は重い。他方で,被告が自車内の時計に目を取られたと言っても短時間のことであるから,被告の過失は重くない。よって,50%の過失相殺をすべきである。
②原告は遷延性意識障害であり,自発的な動作をすることがないのだから,逆に言えば原告に対し必要な介護作業もそこまで重いものではなく,将来介護費用は日額8000~1万2000円相当で足りる。

裁判所の判断

①仮に原告自転車の速度が時速約20kmに達していたとしても,異常な速度ではなく,著しい過失とは言えない。他方,被告は自車内の時計に気を取られ、2秒以上も前方を見ていなかったのであるから,その脇見運転は著しい過失に当たる。したがって,過失相殺は30%が相当である。
②原告の介護は職業介護を利用せざるを得ず,その介護負担は大きく,金銭支出は重い。したがって,原告の将来介護費用については日額1万8000円が相当である。

当事務所のコメント/ポイント

遷延性意識障害1級障害を負った被害者を自宅で介護するため,介護負担の大きさ及び介護に必要な自宅改修費や設備・器具等の費用について詳細な立証を行った。相手側は「遷延性意識障害患者は自発的に動かないため介護負担・時間的拘束は過大なものにはならない」として日額8000~1万2000円で将来介護費用を算定するよう主張したが,我々において被害者に対する介護は職業介護を依頼せざるを得ず,その支出が多額に上っている事実を十分に反論した結果,将来介護費は日額1万8000円という高額な基準で認定された。
また,過失相殺50%を主張する相手側に対し,被害者側自転車速度の点や加害者脇見運転の事実を適切に指摘し,30%に下げさせた。
過失相殺分については,被害者家族がかけていた人身傷害保険金(上限額5000万円)を適切に請求した結果,同5000万円の限度において人身傷害保険金から塡補され,総取得額は自賠責保険金及び人身傷害保険金を併せて約2億6000万円ときわめて高額に達した。