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遷延性意識障害

遷延性意識障害1級の事案において,保険会社側の定期金賠償方式による支払い主張を排斥し,一括払い(一時金方式)での賠償を認めさせた例。

逸失利益約1億1460万円,将来介護費用計約1億0570円をはじめ,自賠責保険金等を加えた総獲得額は3億6000万円を超える高額な成果となった。

■遷延性意識障害(判例044)
■後遺障害等級:1級1号 確定年:2018年 和解
■福島地方裁判所管轄内

被害者データ 21歳 ・男性 (大学生)
男性 受傷時21歳 大学生
原告が自転車で横断歩道上を横断中,赤信号無視の被告自動車に衝突された。
遷延性意識障害1級1号

認められた主な損害費目

付添看護料

約290万円

逸失利益

約1億1,460万円

将来介護料

約1億0,570万円

住宅改修費

約800万円

将来介護機器等費用

約1,720万円

傷害慰謝料

約370万円

後遺障害慰謝料(近親者分含む)

約3,400万円

成年後見費用

約460万円

その他

約1,280万円

損害額

約3億0,350万円

障害年金控除

-約460万円

自賠責保険金控除

-4,000万円

*1調整金

約6,110万円

*2最終金額

約3億2,000万円

*1調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2自賠責保険金4000万円及び障害年金460万円を加えた総獲得額は約3億6460万円である。

詳細

加害者の主張

①原告の将来介護費については,今後の余命について確実な予測ができないのだから,一括して被告が賠償することは不相当であるから,将来原告が存命中にわたり定期的に(例えば毎月1回等)一定額ずつ支払うという定期金方式による賠償とするべきである。

②原告は事故当時確かに大学に通学していたが,将来卒業できたかどうかは未確定なのだから,逸失利益算出の前提となる基礎収入の算定に当たっては,大学卒業を前提に統計上の大卒平均賃金を基礎とすべきではない。

裁判所の判断

①原告は定期金方式による賠償を求めていないのだから,定期金賠償を求める被告の主張は認められない。原告の症状も相応に安定しているのだから,余命について殊更に不安視する理由もない。
なお将来介護費用については原告の平均余命まで全期間とした上で,母親が67歳になるまでは日額1万6000円,母親67歳以降は職業介護を前提に日額2万円(計約1億0570万円)とする。

②原告は事故当時紛れもなく大学生であり,事故さえなければ,大学を卒業できなかったと考えるべき特段の事情もなかったのであるから,統計上の大卒平均賃金を基礎収入として逸失利益を算定する。

【当事務所のコメント/ポイント】

遷延性意識障害1級障害を負った被害者の将来介護費について,保険会社側は定期金賠償による支払い,つまり被害者の生存を定期的に確認しながら支払うという主張を行った。
これに対し我々は豊富な経験に基づき,定期金賠償によって被害者が負担することになるリスク(特に,将来保険会社側の資力が悪化した場合,賠償を受けられなくなるかも知れないリスクを被害者が負担するかも知れないことの不当性)を丁寧に論じた結果,裁判所は我々の主張を支持し,保険会社側の定期金賠償の主張を排斥した。
その結果,将来介護費計約1億0570万円について一括での賠償を受けることができ,逸失利益や介住宅改造費用等についても高い水準での賠償額が認められたことから,総取得額は自賠責保険金分を併せて3億6000万円を超える高額な成果となった。

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