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高次脳機能障害

高次脳2級男性について入院中である実費負担がほとんどない状況ではあるものの将来施設介護へ移行する可能性がるあるとして4,000万円以上の将来介護料が認められた事例

事故直前に飲酒していたことなどから加害者は65%の過失相殺を主張するも過失割合は35%に留められた事例

■高次脳機能障害(判例122)
■後遺障害等級:2級 確定年:2013年和解
■横浜地裁管内

被害者データ 57歳 ・男性 (給与所得者)
受傷時53歳・固定時57歳 男性(給与所得者)
道路横断中の被害者に加害車両が衝突したもの
高次脳機能障害2級、右下肢1cm以上短縮13級 認定等級2級

認められた主な損害費目

将来介護費

約4,600万円

休業損害

約1,600万円

逸失利益

約3,700万円

慰謝料

約3,400万円

その他

約1,100万円

損害総額

14,400万円

過失相殺(35%)

-約5,000万円

損害填補(任意保険)

-約2,100万円

損害填補(自賠責)(※2)

-約3,000万円

調整金(※1)

約1,700万円

総合計額

6,000万円

  ※1遅延損害金及び弁護士費用相当額を含む
  ※2訴外獲得の自賠責保険金約3,000万円と合わせて、総額約9,000万円での解決となった。

詳細

加害者の主張

①事故前に被害者が飲酒しており急性アルコール中毒であったと考えられること、横断歩道付近であるのに横断歩道を渡らなかったこと、飛び出し横断に該当することなどを指摘して65%の過失相殺を主張。
②提訴当時、被害者は入院中であり公的な費用扶助によってほとんど費用の自己負担をしていないことなどを主張して、将来介護料を争った。

裁判所の判断

①当方からは、そもそも裁判例や道路交通法に照らして本件が横断歩道の付近とは言えないこと、刑事記録上、酩酊していたであるとか、飛び出したというようなことを伺わせる記述がなく、これらの点は立証されていないことを指摘し、併せて加害者にはその制動距離などから導かれる速度からして、時速10km以上の速度違反があり、著しい前方不注視等もあったことを主張した。結果として、裁判所和解案でも加害者の主張は排斥されて、事故態様に照らして過失相殺率は35%に留められた。
②被害者の後遺障害の内容・程度が相当重度であり、身体動作として比較的簡単な食事動作(食物を口に運び食べるという動作)、更衣動作(用意された衣服を着脱する)について介助を要するとされていること、重度の認知障害や人格変化によって常に介護者による見守りが必要な状況であること等を具体的に主張立証した。その上で、現在の費用からしても、原告主張の介護料は相当であることを費用の詳細を整理し、裁判例などと比較を行うことで主張したことで、裁判所和解案でも4,000万円以上の将来介護料が認められた。自己負担が現在ほとんどないという被告の反論については、公的扶助は賠償を受けた場合に返還を求められるものもあることなどを指摘し、各種制度の性質を無視したものであると指摘し、裁判所も当方の主張を採用した。
③自賠責保険金約3,000万円とあわせて9,000万円以上での最終解決となった。

当事務所のコメント

①加害者からの過失相殺の主張に対しては、しっかりと刑事記録等を精査した上で、そもそも被害者側の過失が立証されているのかを検討することも重要となります。
②将来介護料は将来の費用であることから、主張する金額の負担が発生する蓋然性(単なる可能性よりもより現実性があること)を被害者側が立証しなければなりません。特に現在の状況からそこまでの費用が発生していない場合は、本件のように争われるポイントなります。当事務所では多くの高次脳機能障害の被害者の将来介護料を立証し、賠償金を獲得してきた経験から、本件でも主張する費用の相当性や、公的扶助を受けているからといってその点が今後も継続する保障がないことなどをしっかりと主張し、裁判所も和解において相当な介護料を認定しました。

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