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高次脳機能障害

高次脳5級併合3級20代女性について外貌醜状も考慮して85%の労働能力喪失率を認め総額で7,000万円以上の賠償が認められた和解例

裁判所の当初の和解案からさらに主張立証を補充した結果1,000万円以上の和解額の増額が実現した例

■高次脳機能障害(判例147)
■後遺障害等級:5級、併合3級 確定年:2015年和解
■東京地方裁判所管内

被害者データ 28歳 ・女性
受傷時28歳 固定時32歳・女性
加害者は、貨物自動車を運転中、停車しているタクシーに乗車しようとしている被害者の存在に気付くのが遅れ、慌てて急制動した結果、歩道に乗り上げ、歩道に避難した被害者に車両を衝突させたもの
高次脳機能障害5級、頭部外貌醜状7級、半盲9級、聴覚障害12級 併合3級

認められた主な損害費目

休業損害

約1,150万円

逸失利益

約4,090万円

傷害慰謝料

約350万円

後遺障害慰謝料

約1,670万円

その他

約1,990万円

損害総額

9,250万円

損害填補(任意保険等)

-約4,210万円

損害填補(自賠責)(※2)

-約1,570万円

調整金(※1)

約2,030万円

賠償金額

5,500万円

※1事故発生から9年近く期間経過したことに対する遅延損害金(年5%)と弁護士費用を含む
※2訴外獲得の自賠責保険金約1,570万円を併せて、7,000万円以上での解決となった。

詳細

加害者の主張

①タクシーの運転手が急にタクシー待ちの被害者を乗車させるために進路変更をしたこと、被害者もタクシー待ちのために車道に出ていたことなどを指摘して1割の過失相殺を主張。
②実際にウエイトレスとしても仕事ができていることや、医療記録の記載を指摘して労働能力喪失率を争った。

裁判所の判断

①当方からは刑事記録に基づいて、明らかにタクシー待ちである状況がわかることなどを指摘し、本件事故の原因がもっぱら加害者の前方不注意や、危険な急制動により歩道に乗り上げたことで、退避した被害者に衝突したことにあることを主張立証した。その結果、裁判所和解案でも、当方の主張が全面的に認められ、過失相殺は否定され、被害者の無過失が明らかとなった。
②当方からは、より詳細に被害者が抱えているコミュニケーション能力の低下や、家事・育児への消極性などをご家族からの聴取も踏まえて主張し、それらが医師の所見と整合することを立証した。また、現実に事故前後で大きな減収が生じていることも併せて指摘した。さらに、外貌醜状についても、接客業などに従事する場合に影響が少なくないことも主張した。これらを受けて、裁判所も当初の和解案では、労働能力喪失率を70%にとどめていたところ、さらに詳細な当方からの追加立証を受けて、85%の労働能力喪失率を認め、また、慰謝料も増額された。

当事務所のコメント

①高次脳機能障害の方であっても、5~9級といった障害等級の方の場合、現実に就労に出ているという方は多くいらっしゃいます。しかし、そうであっても何らの支障もなくお仕事を行えているという場合は少なく、自身で大きな不便を感じておられたり、相当周囲の理解やサポートがあるというケースも少なくありません。相手方は、現実に働けているということを強く主張してきますが、そのような場合であっても、実際に支障を感じられている被害者ご本人、ご家族、あるいは職場の関係者の方々から詳細な事情を聴取することで、適正な認定を受けることができます。
外貌醜状についても、その具体的なお怪我の状態や、お仕事の内容によっては労働能力喪失率を認めるべき障害ですから、この点についても丁寧な立証が肝要です。
②また、本件では当初の裁判所和解案は決して当方に有利な内容とは言い難く、十分に被害者の障害内容による支障の程度が労働能力喪失率に反映されているとは言えないものでした。
当事務所では、多くの裁判実績から、単純に裁判所の示した見解に従ってしまうのではなく、裁判所が和解案提示において見解を示してからでも、更なる立証を行い、和解金額の増額を求めていくことも多くあります。本件では、まさに、追加立証と和解金額の増額を求めた結果、相当有利に賠償額の増額に繋がりました。
裁判所に判断を求めていく手続きが訴訟手続きですが、必ずしもすべての裁判官が交通事故賠償に精通し、ゆるぎない事実認定・評価を行えるわけではありません。当事務所では、専門的に交通事故損害賠償訴訟を数多く扱ってきたからこそ、的確に裁判所に対する指摘や追加立証を行うことができるものと自負しております。

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