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高次脳機能障害

自転車対自転車の衝突事故という稀なケース。

過失逆転事案(90%→55%)。被害者の一方的センターオーバーを主張した加害者側による過失相殺90%主張を排斥し,相殺率55%と認定させた。
加害者側の2級主張を排斥し,自賠責同様被害者に高次脳機能障害1級を認定させた上,将来介護料約7,990万円(日額1万8,000円)を認めさせた事例。

■高次脳機能障害(判例172)
■後遺障害等級:1級1号 確定年:2017年 和解
■さいたま地方裁判所管轄内

被害者データ 64歳 ・男性 (会社員)
男性 受傷時64歳 会社員
原告が自転車で走行中,対向して走行してきた被告自転車とセンターライン上付近で正面衝突した。
脳外傷による高次脳機能障害1級1号

認められた主な損害費目

治療費等

約650万円

休業損害

約670万円

逸失利益

約2,930万円

将来介護費用

約7,680万円

住宅改修費用

約1,000万円

成年後見人報酬

約700万円

傷害慰謝料

約330万円

後遺障害慰謝料(近親者分含む)

約3,200万円

損害額

約1億6,150万円

過失55%控除後

約7,270万円

*調整金

約730万円

最終金額

約8,000万円

*調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当。

詳細

加害者の主張

① 原告は飲酒して自転車で走行していた上,センターオーバーをしたと思われるため,90%の過失相殺をすべきである。
② 原告は自賠責保険により高次脳機能障害1級の認定を受けているが,実際には相当程度の日常生活動作能力が回復していたのだから,せいぜい高次脳機能障害2級相当であり,2級を前提に将来介護費を算定すべきである。

裁判所の判断

① 事故の衝突現場はセンターライン付近であると目撃者も証言しており,原告自転車がセンターオーバーしたことを裏付ける明確な証拠がない。したがって,被告自転車にも相応の過失が認められるから,原告飲酒の事実を考慮しても,過失相殺は55%に留まる。
② 原告の動作レベルについて,医師の診断書や作業療法士の報告書,家族の報告等を分析すると,原告はあらゆる日常生活動作に介助を必要としており,誰か介護者が終始見守りをしている必要がある。したがって原告の高次脳機能障害は自賠責同様1級相当であり,将来介護費用約7680万円(日額1万8,000円相当)を認める。

当事務所のコメント/ポイント

 交通事故で高次脳機能障害1級を負った被害者には,常時の介護が必要である。この事例では,被害者が「寝たきり」ではなく多少の動作を行うことを根拠に,相手側から「常時の介護は必要でなくせいぜい2級相当である」という反論がなされた。そこで,我々において,被害者のあらゆる生活動作について必要な介護の内容とその負担の大きさについて丁寧に主張した結果,常時に及ぶ手厚い介護態勢の必要性が裁判所にも認められた。そして,自賠責同様高次脳機能障害1級を前提に,約7,680万円(日額1万8,000円相当)という高額な将来介護費用を認定させることができた。
また過失相殺についても,明確な証拠なしに被害者の一方的センターオーバーを主張する相手側に対し,事故の目撃者の説明は被告主張と矛盾している事実を指摘する等,我々において適切な反論を加えた結果,相手側の主張を退けることができた。これにより過失相殺率は相手側が主張する90%より著しく低い55%に抑えることができた。
以上の結果,総取得額は約8,000万円と,過失相殺率が高いにも拘わらず十分な金額を獲得することができた。

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