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高次脳機能障害

事故から12年後に受任し高次脳の認定を獲得した事例

事故後就労復帰した高次脳5級の被害者について,等級どおり79%の喪失率を獲得

■高次脳機能障害(判例180)
■後遺障害等級:5級 確定年:2018年 和解
■京都地方裁判所管轄内

被害者データ 23歳 ・男性 (会社員)
男性 会社員 受傷時23歳 症状固定時35歳
自動車に同乗中の事故
高次脳機能障害5級等併合4級

認められた主な損害費目

治療費

約180万円

症状固定日前の介護費

約460万円

休業損害

約890万円

傷害慰謝料

280万円

逸失利益

約3,265万円

後遺障害慰謝料

1,400万円

将来介護料

約360万円

その他

約65万円

損害額

約6,900万円

過失10%控除後

約6,220万円

任意保険金控除

-約290万円

自賠責保険金控除

-1,798万円

調整金

3,348万円

最終金額

約7,500万円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)自賠責保険金1,798万円を加えて,総額約9,300万円を獲得した。

詳細

加害者の主張

① 被害者は,本件事故後,職場復帰を果たし,実生活にも大きな問題は認められなかった。よって,その日常生活に見守りや声掛けが必要であったとは到底認められない(将来介護料等を否認)。

② 逸失利益の基礎収入については高卒平均賃金を採用すべきである。

③ 本件事故後元の職場に復帰し,裁判に至るまで13年以上の期間,実際に就労している以上,その労働能力喪失率は併合4級の基準92%から大幅に減じられるべきであり,35%とすべきである。

④ 被害者と加害者は,事故直前まで一緒に大量飲酒した上で,飲酒運転に及び本件事故を惹起した。飲酒自体は被害者が主導したものであり,40%の過失相殺は免れない。

裁判所の判断

① 一人で通勤することができている以上,常に見守りや声掛けが必要性があるとは認められないものの,てんかん発作に備えて,入浴時の見守りや服薬管理を家族が行う必要性が認められるから,日額1,000円の将来介護料を認める。

② 基礎収入については高卒平均賃金469万円とする。

③ 外貌醜状については男性である被害者の就労に影響を及ぼすものとは言えないが,高次脳機能障害5級については原告の主張のとおり,就労への影響は顕著であり,労働能力喪失率は5級相当79%とする。

④ 確かに,飲酒した加害者の車に同乗した点において被害者にも落ち度が認められるものの,加害者は外見上アルコールの影響を受けているようには見えなかったこと,被害者が加害者の飲酒量を正確に把握していたわけではないことなどを考慮し,10%の過失相殺にとどめる。

当事務所のコメント/ポイント

 本件被害者ご家族が当事務所を尋ねたとき,高次脳機能障害の認定を受けないまま,既に事故から12年が経過していた。そのため,当事務所では,事故後の病院のカルテや画像を取り付けて治療経過を精査した上で,関西地方で高次脳機能障害の専門医がいる病院を被害者に紹介した。その結果,高次脳機能障害5級という適切な等級認定を受けることができ,依頼者には大変喜ばれた。
 高次脳機能障害の被害者の中には,適切な認定を受けられないまま,事故から長期間経過してしまっている方が少なからずいらっしゃる。そのような方でも,高次脳機能障害に専門的な弁護士と,専門的な医療機関の連携があれば,適切な等級認定を受け,道が開かれる可能性が十分にある。事故から長い時間が経ってしまっていても諦めずに,是非一度当事務所に相談してみてほしい。

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