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高次脳機能障害

自発性低下が顕著な高次脳2級事案で日額1万5000円の将来介護料を獲得

ビデオ映像を提出することによって介護実態を可視化

■高次脳機能障害(判例185)
■後遺障害等級:2級 併合1級 確定年:2018年 和解
■水戸地方裁判所管轄内

被害者データ 53歳 ・男性 (大学教授)
男性 大学教授(事故時53歳,症状固定時55歳)
居眠り運転によって暴走した車に歩道上の被害者が轢かれた事故
併合1級(高次脳2級,複視13級)

認められた主な損害費目

治療費

約1,230万円

室料差額

約635万円

傷害慰謝料

約356万円

休業損害

約680万円

逸失利益

約8,640万円

将来介護料

約8,150万円

後遺障害慰謝料

3,080万円

福祉器具購入費用

約140万円

介護雑費

約130万円

その他

約620万円

損害額

約2億3,660万円

年金控除

-約1,185万円

任意保険金控除

-約3,370万円

自賠責保険金控除

-3,000万円

*1)調整金

約6,100万円

近親者慰謝料

800万円

最終金額

約2億3,000万円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)自賠責保険金約3,000万円を加えて,総額約2億6,000万円を獲得した。

詳細

加害者の主張

① 逸失利益について,原告が事故後に昇給するという事実は認められず,原則どおり事故前年年収を基礎収入として採用すべきである。また,大学教授である被害者は,65歳に定年退職するから,労働能力喪失期間も65歳までに限定されるべきである。

② 被害者の介護は,排泄や入浴,外出時のごく限られた場面における「声掛け,促し」といったことにとどまる。身体的介護の必要がない本件被害者の介護負担は軽い。

裁判所の判断

① 大学が発行する「給与支給見込証明書」は大学の給与体系に従って計算したものであって相当程度の信用性が認められるから,事故時の年収をもって逸失利益を算定すべきではなく,昇給後の年収をもって基礎収入と認める。また,労働能力喪失期間を69歳までとする。

② 確かに被害者のADLは自立しているが,常時の声掛けが不可欠な状況にあるから,日額1万5000円の将来介護料を認める。

【当事務所のコメント/ポイント】

① 事故後の昇給
逸失利益の基礎収入は,原則として,事故前年の年収が参照されることが多い。
しかし,本件被害者は,事故時53歳の大学教授であり,事故後も昇給することが予定されていた。この場合,事故前年の年収をもとに逸失利益を算出したのでは,「事故がなければ被害者が得られた利益」として不当に少なくなる。そこで,当事務所では,大学の協力のもと,大学の賃金体系に基づき,被害者の昇給シミュレーションを書証として提出し,単なる「可能性」ではなく,「確実に」昇給することを証明した。
その結果,事故前年年収を参照するという原則論が否定され,昇給することを前提とした逸失利益を獲得することができた。
本件のように,事故後に昇給の可能性がある場合,昇給について相当程度「確実」な立証が求められるから,被害者側にハードルがあることは否定できないが,会社の賃金体系など,的確な資料を提出することによってその立証は可能である。

② 将来介護料
本件被害者は,高次脳機能障害2級による自発性低下が顕著であり,ありとあらゆる場面で声掛けをして行動を促さなければならない状況にあった。自発性が低下している被害者の場合,問題行動(易努性等)が少ないため,介護負担が軽いと誤解されがちであるが,決してそのようなことはない。かえって四六時中声掛けをしなければならないという点で介護負担は重い。
例えば,起床,トイレ,オムツ交換,更衣,階段昇降,洗面,屋内移動,整容,食事,服薬,口腔ケア,健康管理,休憩,水分補給,おやつ,リハビリ,外出準備,外出,車椅子への移乗,入浴,寝室への移動,就寝など,日常生活を送る上で最低限必要な行為はたくさんある。しかし,このようなあらゆる行動や認知は,自発性があってこそ初めて可能となるから,自発性が顕著に低下している本件被害者の場合,朝から晩まであらゆる場面でその都度促しをしなければならないという点で,介護負担は極めて重いのである。
当事務所では,書面による説明だけでは裁判官のイメージが足りない恐れがあると考え,実際に声掛け(介護)をしている場面をビデオ映像として提出し,介護の実態を可視化したことによって,声掛け介護に対する裁判官の理解が深まり,日額1万5000円という高次脳2級としては高額な介護料の獲得に繋がった。

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