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高次脳機能障害

過失相殺35%の高次脳機能障害3級(併合2級)被害者について,適切に人身傷害保険金を請求した結果,損害賠償額と人身傷害保険金額を合わせた総獲得額が約1億9110万円に達した事例。

高次脳機能障害は3級ながら将来介護費用として高額な約4500万円(日額6500円)が認められた。 被告の過失相殺45%主張に対し,35%と認定させた。

■高次脳機能障害(判例187)
■後遺障害等級:3級3号 併合2級 確定年:2018年 和解
■前橋地方裁判所管轄内

被害者データ 11歳 ・男児 (小学生)
男性 受傷時11歳 小学生
夜間に交差点を横断中の原告自転車(一時停止側)と交差道路を走行中の被告自動車が出合い頭に衝突した事故。
併合2級(高次脳機能障害3級3号及び外貌醜状12級14号)

認められた主な損害費目

治療費

約420万円

付添看護料

約1,040万円

逸失利益

約9,030万円

将来介護料

約4,550万円

傷害慰謝料

約440万円

後遺障害慰謝料

約2,370万円

その他

約60万円

損害額

約1億7,910万円

*1過失35%控除
控除後

-約6,270万円
約1億1,640万円

既払い保険金控除後(任意)

-約430万円

自賠責保険金控除

-約2,440万円

近親者慰謝料

約400万円

*2調整金

約1,230万円

*3最終金額

約1億0,400万円

*1過失相殺分は人身傷害保険金から塡補され,実質無関係。
*2調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当。
*3自賠責保険金約2440万円,人身傷害保険金約6270万円を加えた総受取額は約1億9110万円である。

詳細

加害者の主張

① 原告の高次脳機能障害は3級と,(2級以上と異なり)介護を必ず必要とする前提ではない等級である。仮に介護の必要性が認められるにしても,将来介護費用はせいぜい日額3000円が妥当である。
② 原告自転車は事故当時,夜間でありながら無灯火であったから,45%の過失相殺をすべきである。

原告の反論

① 原告は高次脳機能障害のため人格変化及び行動障害,認知機能障害などの症状が顕著になってしまい,日常生活・社会生活全般にわたり声掛け・見守り等の介護が将来にわたり必要不可欠である。そしてその介護については,原告を一日中自宅に閉じ込めて家族のみで全て介護をこなすことは不可能であり,職業介護も利用しなければならない。よって,これらの事情を踏まえた十分な将来介護費用が認められるべきである
② 被告が主張する原告自転車の無灯火運転は,客観的根拠が全くなく,これに基づく過失相殺は認められない。

・最終的にこれらの点について原告の主張に沿った内容での和解が成立。将来介護料は日額6500円で算定し,過失相殺は35%(原告無灯火運転は被告による証明がないため認めず)とされた。

【当事務所のコメント/ポイント】

交通事故で高次脳機能障害3級を負った被害者について,保険会社側は往々にして「3級で日常生活動作そのものが自立しているから将来の介護は不要」との主張を行う。しかし,前記のとおりほとんどの3級高次脳被害者に対しては介護(声掛け・見守り)が必要である。
本件では我々において,被害者の高次脳機能障害による精神症状の重さを丁寧に説明し,被害者に対し必要な介護の内容とその負担の大きさ,家族だけではカバーできず職業介護を導入する必要性があることなどについて丁寧に主張した結果,将来介護費用は高次脳3級としては高額な基準(日額6500円)の計約4550万円を勝ち取った。
また,過失相殺に関して,保険会社側は原告自転車の夜間無灯火運転を指摘し,45%の相殺を主張したが,我々において被告の主張に根拠(特に客観証拠)がないこと,過失相殺の立証責任は被告側にあることを適切に主張した結果,被告の主張(原告自転車無灯火運転)は排斥され,過失相殺率については35%との判断を勝ち取ることができた。
加えて被害者家族がかけていた人身傷害保険金も適切に請求した結果,過失相殺分が適切に補填され,高次脳機能障害3級(後は外貌醜状12級)ながら総取得額としては自賠責保険金及び人身傷害保険金を併せて約1億9110万円と高額になった。

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