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高次脳機能障害

高次脳機能障害5級併合3級10代男性について日額3000円の介護料を認めて1億4000万円を超える賠償を認めた和解事例

高次脳5級片眼失明等併合3級の後遺障害について100%の労働能力喪失を認めた事例

■高次脳機能障害(判例192)
■後遺障害等級:5級2号 併合3級 確定年:2018年 和解
■名古屋地方裁判所管内

被害者データ 19歳 ・男性 (大学生)
事故時19歳 固定時21歳 男性・大学生
被害者は、加害車両の同乗者。脇見運転をしていた加害者が停車しようとしていた先行車両を見落として加害車両を衝突させて、同乗していた被害者らを負傷させたもの
高次脳機能障害 5級2号
右眼失明 8級1号 /左眼視野変状 13級3号 (併合7級)
脊柱変形 11級7号 
胸椎変形 11級相当
併合3級

認められた主な損害費目

治療関係費

約570万円

付添看護料(交通費を含む)

約130万円

学費(休学費用)

約20万円

後遺障害逸失利益

約1億400万円

症状固定前の介護費

約220万円

将来介護料

約2070万円

傷害慰謝料

約320万円

後遺障害慰謝料

約2000万円

その他

約20万円

損害総額

約1億5750万円

過失相殺(5%)

-約790万円

損害填補(任意保険)

-約630万円

損害填補(自賠責保険金)(※2)

-約2220万円

調整金(※1)

約2390万円

最終金額

約1億4,500万円

※1事故日からの遅延損害金や、弁護士費用、慰謝料増額事由の考慮等を含める
本件では事故から約5年が経過していること等が加味されている。
※2本件では当事務所にて自賠責申請を行って、約2220万円の自賠責保険金を獲得している。自賠責保険金と和解金を併せて、1億6000万円を超える高額賠償となった。

詳細

被告主張

①被害者は、大学に通い、一人暮らしもしているので将来介護料は発生しない
声かけや見守りは、あくまでも親が子に対して行う通常必要とされる家庭内の援助の範疇であり、介護ではない等と主張

②被害者は、大学進学をしており将来考えられる職種に照らせば、一眼の失明があっても就労に大きな影響は及ぼさないので、高次脳機能障害5級の79%の限度で喪失率を認定すべきだ等と主張

裁判所の判断

①将来介護料について、詳細に生活実態について主張立証を行った。具体的には、完全な一人暮らしではなく、寮生活をしており、母親が相当頻度にわたりLINE等で連絡を行って、生活面の逐一について指示を行っていることや、寮長が服薬のサポートをしてくれていること、大学内の障害学生支援室によるノートテイクや履修登録支援などの相当手厚い援助を受けて、ようやく学生生活が成立していることを、各関係者からも丁寧に聴き取りを行って裁判所に提出した。
その結果、被告主張は排斥され、日額3000円の将来介護料が和解案にて認定された。

②労働能力喪失率に関して、被告が医師の意見書などを提出して、片眼を失明していてももう一方の眼から正常に近い視野が保たれているなどと主張したのに対して、そもそも失明をしていない片眼については、自賠責において障害があることが認められており、現実問題として、健常者に比べて視野が相当狭い等の障害を負っていて、それによる支障は看過できないものであることを詳論した。その結果、被告主張及び被告側の医学意見書は完全に排斥され、裁判所和解案においては、労働能力は完全喪失しているとして、100%の労働能力喪失が認められた。

当事務所のコメント

①被害者本人がお若い方の場合、大学や就職などを契機に、障害を負っていながらも形だけでも一人暮らしをしたいという方は当然いらっしゃるところです。その場合、加害者側からは、一人暮らしができるのであれば、介護は不要、高次脳機能障害自体が自賠責認定よりも軽度といった主張の標的とされることがあります。
実際に何らもサポートなく生活できているのであればともかく、本件のように、親御さんや、学校側、友人らの相当手厚い支援があって、はじめて生活が成立しているという場合も多く、そうした事実関係については、各支援をしてくださっている方からもお話を聴取して、それを裁判所に提出していくことが重要です。
本件でも相当詳細な報告を裁判所に行った結果、将来介護料がしっかりと認定されました。

②併合による等級上昇がある場合、相当な数のケースで、その一部の障害はさほど就労に影響しないといった主張が加害者側から行われることがあります。
片眼失明はその典型例です。
本件では、被告側は医師の意見書まで依頼して、片眼失明があってももう片方の眼が機能するから就労影響は少ないと言った主張を展開しました。
しかしながら、この点については、片眼失明と、さらにもう一方の眼の視野狭窄症状等について、医学的所見と生活実態における具体的支障の内容を緻密に議論した結果、被告側の医師の意見書を完全に排することができました。
大きなお怪我を負われている場合、高次脳機能障害だけではなく、さらに多くの障害を残している方も少なくありません。当事務所は、交通事故専門事務所として多彩な障害について賠償をお手伝いしてきた経験があります。しっかりと事故により負われた後遺障害による支障について、賠償が果たされるように日々尽力しております。

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