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5歳男児が高次脳・片麻痺等1級

高裁で日額1万5000円~3万円の高額な将来介護料が認められた例

■高次脳機能障害(判例025)
■後遺障害等級:1級 確定年:2007年
裁判所認定額 約2億5300万円
■2審名古屋高裁 1審名古屋地裁管内

被害者データ 5歳 ・男児
■ 信号機により交差整理の行われている交差点で、普通自動車が前車を追い越ししていたところ、赤信号横断中の5歳男児に衝突した。
■ 脳挫傷による高次脳機能障害、左片麻痺等1級

認められた主な損害費目

将来介護 約1億3,400万円
入通院時の介護料(症状固定前) 約700万円
逸失利益 約5,900万円
住宅・自動車改造費等 約1,000万円
介護雑費・装具費等 約600万円
後遺障害慰謝料 約2,700万円
近親者慰謝料 約300万円
その他 約700万円
約2億5300万円

(過失相殺40%控除後 約1億5200万円)

詳細

5歳男児が交差点を赤信号で横断していたところ、青信号で追い越し走行してきた速度オーバーの普通乗用車にはねられ脳挫傷の重傷を負い、てんかん、左方麻痺を伴う高次脳機能障害1級の後遺障害を負ったケースです。移動や車への乗降、装具装着、着替え、食事、入浴、歯磨きといった身体的介護のほか、見守り(監視)や声かけなど、日常生活の多くの場面で介護を要する状態となりました。 将来介護料の算定に当たっては、男児の養護学校就学のスケジュールや就学中の通学方法、通学時間など様々な要素を詳細に検討した上で、必要な介護時間や介護負担を緻密に立証しました。 一審では、母親が67歳に達するまでは職業介護人による補助的介護を受けながら母親が介護の主要な部分を担うことを前提に約8,200万円の介護料認定となりました。

 

しかし、近親者自らが介護にあたるか職業介護人による介護を選ぶかは本来被害者と近親者が決めるべき事項であること、母親にも母親の人生があり、同人が日中の仕事への就労を希望している以上これを尊重すべきであること、母親は介護のストレスから既に健康状態を損ねていることなどを主張して控訴しました。

名古屋高裁は、母親1人が主体となる介護状況を長期化させることは、同人の健康面から著しい困難が伴うとして、職業介護人による介護を主体として将来介護費用を算出しました。また、介護費用単価については、原告側が提出した介護事業者による見積もり等の証拠をきっちりと検討したうえで算出しました。

この結果、約1億3,400万円の介護料認定という大幅増額となりました。また、近親者慰謝料についても一審判決のほぼ倍の金額を認定しました。

過失相殺については、原告は赤信号で横断していたものの、被告側に「交差点付近での前車追い越し」、「右折車線進入」、「速度オーバー」などの過失があったことから、6割の過失を認めました。 (愛媛・名古屋地裁管内)

※弁護士コメント

本判決は次の3点に意義があると思います。
第1は、母親が主体となる介護を長期化させることは母親の健康面から著しい困難を伴うとして職業介護人による介護を中心とすることを前提に将来介護費用を算定したことです。
第2は、職業介護人による介護費用の単価について、原告側が提出した介護費用の見積り等の証拠をもとに、従来の判決例からすれば相当高額な金額を認定したことです。
第3は、養護学校在学期間中についても日額1万5,000円という高額の介護料を認定したことです。
この他、高裁判決は、一審判決が否定した①将来の通院交通費、②車両改造費、③介護ベッド費用、④将来の成年後見申立費用をいずれも認めたうえ、母親に対する慰謝料も一審判決のほぼ2倍の金額を認めています。
高次脳機能障害者の介護にあたる家族の大変な実情に対する見方や目線が、高裁の裁判官と一審の裁判官では根本的に違ったと感じました。

※認定額のポイント

①養護学校に在学中:職業介護人1万円+近親者介護5,000円 → 日額1万5,000円×年間365日
②養護学校高等部卒業から母親が67歳になるまで:職業介護人1万5,000円+近親者介護5000円
  →日額2万円×年間365日
③母親が67歳になってから、原告の余命まで職業介護人3万円→ 日額3万円×年間365日