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示談においても、高次脳1級80代高齢男性について総額6,500万円を超える賠償金を獲得した事例

自賠責申請段階から依頼を受け専門医による高次脳機能障害の診断等の調整を行った事例
入院中の被害者について、示談でありながらも、保険会社水準を超える将来月額50万円で解決した事例

■高次脳機能障害(判例184)
■後遺障害等級:1級 確定年:2018年 示談

被害者データ 80歳 ・男性
事故時80歳 固定時81歳 男性 
早朝の生活道路を横断等していたところ加害車両に衝突されたもの
高次脳1級

認められた主な損害費目

逸失利益

約70万円

将来介護料

約3,900万円

傷害慰謝料

約280万円

後遺障害慰謝料

約2,800万円

その他

約250万円

損害合計

約7,300万円

過失相殺5%

-約365万円

任意保険

-約335万円

自賠責(※1)

-約3,600万円

総額

約3,000万円

※1当事務所で手続きを行った自賠責保険金約3,600万円の自賠責保険金と併せて、約6,600万円の賠償金を獲得した。

詳細

加害者側の主張

・将来介護料について月額50万円は入院中の負担費用として高いと主張
・過失についても10%以上であると主張

交渉経過

・入院費用(健康保険による給付額を含める)総額は、70万円を超えるところ、相手は、日額1万2,000円提案(月額36万円)であったため、本来は、社会保険制度による給付が現在行われる点についても、将来費用の賠償では、10割満額を加害者が賠償すべきという裁判例等を示しつつ、交渉方法として、月額50万円の限度まで譲歩した結果、相手の当初提案から月額14万円の増額が実現した。

・過失主張については、刑事記録を取得し、訴訟時と同様に刑事記録の精査により、相手方の過失内容の実態・詳細を細かく分析して、その内容を伝えて交渉を行った結果、過失相殺率は5%に留まった。

当事務所のコメント

(1)まず、大前提として当事務所の方針は、訴訟による解決を第一に考えております。
和解においても、遅延損害金や、弁護士費用の加算・考慮がされることはもちろんのこと、現在の、示談(保険会社)水準の賠償基準では、介護料や、本件のような特別な費用加算について、十分な賠償実務の最新のスタンダードが反映されておらず、全体的に低めの解決となってしまう例が多いためです。
その上で、被害者側の金銭的余力の問題等がある場合には、早期解決の要請も強くなるところですから、このような場合には、示談交渉が解決方法としても適切と考えます。
とはいえ、あまりにも訴訟水準からかけ離れた廉価な示談を締結してしまうことは、多くの訴訟案件を解決してきた当事務所の見地からしても、被害者とそのご家族にとって、適正な賠償を実現できたとは到底言い難いものとなってしまいます。
そこで、当事務所では、示談交渉案件についても、基本的な考え方として、訴訟水準に相当するような、可能な限り高額な賠償を実現すべく、交渉に取り組んでいます。

(2)今回のケースでは、刑事捜査の内容にご家族における不満も大きいものがありましたが、示談の中では、交渉の結果、被害者の方の過失がごく小さいものであることを相手方にも受け入れさせることもできました。
 
(3)介護料については、未だに訴訟でも"相場感覚"といった実質的な賠償上限を設けて実際に必要とする費用以下の賠償額しか認定していない裁判例も散見されます。しかし、理論的には、公費給付分を含めて将来介護料は、その10割を加害者側が賠償すべきことは、裁判実務上のスタンダードとなりつつあり、当事務所でも、判決・和解事例において、この点を丁寧に主張立証して、裁判所の理解を促しているところであり、事案単位でみても、賠償水準の引き上げにもつながっているものと考えています。
他方、保険会社側では、未だに社会保険給付の将来にわたる控除を前提にしたり、裁判例に照らしても、低めの"相場"水準での賠償提示に固執するケースは少なくありません。今回は、示談による早期解決も1つの目標でしたが、その中でも、将来的な介護・入院費用を十分に確保できるように、上記の裁判実務の現状をも踏まえた、示談交渉を重ねて、一部譲歩にはなりましたが、月額50万円、将来介護費用としては、81歳男性・入院継続で約3,900万円を認める示談を締結することができました。

(4)このように、早期解決の要請がある中でも、数多くの訴訟解決を図ってきた経験や、交渉案件も同じように多くの解決をしてきた実績に照らして、丁寧な増額交渉を相手方と重ね、何度も熟慮を相手方にも求めていくことで、相互譲歩を前提とする示談という解決方法によっても、被害者の介護実態に照らして、適正な賠償を実現できるように、尽力しております。
本件は、こうした当事務所の知見が活かされた好例であると言えます。

(5)また、本件は、地域的に高次脳機能障害の知見を有する医療機関が少ないという問題があり、適正な自賠認定に欠かせない診断書の内容の充実性について、不安な点がありました。この点は、当事務所弁護士と、ご家族の間でも入念な打ち合わせを経て、入院中の病院から紹介された高次脳機能障害の専門知見を有する医師に、診断書作成を依頼して、入院先の病院に訪問診療をして頂くという方法が可能になった結果、自賠責でも十分な認定を得ることができました。
書類審査である自賠責認定に際しては、医師への適切な診断書依頼や、家族と弁護士との情報共有は重要です。誤った障害状況で自賠責に伝わってしまうことが無いように、治療期間の段階からご依頼を頂いた場合は、丁寧なサポートを心がけています。