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事故車両炎上により全身重度熱傷・上肢機能等の重度障害29歳男性について自賠責保険を含めて1億5000万円以上の賠償を認めた和解

身熱傷後の重度障害に対する家族介護費用として日額2万円ほか介護雑費を認定し1500万円以上の介護費を認めた和解。
速度超過等の危険運転をした加害車両の同乗者であった被害者について、好意同乗やシートベルト付着用といった被害者側の過失を加害者が主張したが、いずれも排斥し被害者無過失とした和解。

■上下肢切断・機能障害他(判例047)
■後遺障害等級:2級 併合4級 確定年:2018年 和解
■岐阜地方裁判所管内

被害者データ 29歳 ・男性 (社会人)
受傷時26歳 固定時29歳 男性・社会人
被害者が同乗していた車両の運転手(加害者)が、速度超過で走行して自損事故を起こしたもの
自賠責認定 併4級
右上肢機能障害6級(3大関節全ての関節機能障害10級、右手指関節機能障害7級)
左上肢機能障害6級(左上肢関節機能障害11級、左手指関節機能障害7級)
全身熱傷による醜状障害が複数部位におよび7~12級
右股関節機能障害12級

被害者の日常生活上の支障に鑑みれば、その実態としては2級にも相当するものであり訴訟では2級主張を行った。

認められた主な損害費目


入院・通院時期の付添看護料

約300万円

休業損害

約800万円

後遺障害逸失利益

約1億0,280万円

慰謝料

約2,000万円

将来介護関係費

約1,500万円

その他

約120万円

損害総額

約1億5,000万円

損害填補(任意)

-約1,000万円

損害填補(自賠責保険)

-約1,900万円

調整金(※1)

約1,400万円

近親者慰謝料

約110万円

約1億3,610万円

※1事故日からの遅延損害金や、弁護士費用を含める
※2上記自賠責保険金約1,900万円の請求についても当事務所が行い、自賠責保険金を含めて、総額1億5,000万円以上の高額賠償を獲得した

詳細

加害者の主張

①将来介護費用について、医療記録の、電車で外出しているといった近況や、ADL自立といった内容を引用し症状固定日までは日額2,000円、以後の介護費用は不要と主張。

②加害者が相当な速度超過をして運転をしていることを被害者も自覚していた、その上で、注意をすることもかく、シートベルトも着用していなかったのだから相応の過失相殺が認められるべきであると主張。

裁判所の判断

①和解案としては、被害者主張の後遺障害2級(労働能力完全喪失)までは認めず、自賠認定と同様の併合4級(92%喪失)との判断に留め、逸失利益としては1億円以上を認定した。
また、介護費用に関しては、退院後~症状固定日までは、日額3000円、症状固定後については、日額2000円を認めており、将来雑費についても月額1万円を認定し、将来介護関連費として総額1500万円を認定し、将来介護が不要であるとする加害者側主張を排斥した。

②裁判所は、過失相殺は認めないと判断した。被害者は、確かに速度超過をしている状態で同乗していたが、あえて危険が極めて高いような客観的事情を知りながら加害者の運転する車両に乗車したわけでもなく、自ら危険が増大するような状況を現出させたわけでもない。シートベルト着用を欠いていた件についても、そもそも加害者にも同乗者にシートベルト着用をさせる道路交通法上の義務があるのに、これを怠った過失もあるので、この事情を以て、被害者の過失相殺を認めるのは相当ではないとした。

当事務所のコメント

①被害者が負われた火傷による手指、両上肢の関節機能障害の程度は極めて重篤で、事故後も仕事には復帰できない状況が長年継続してきました。そこで、自賠責制度上は、併合4級との認定は制度内容に照らして正しいものではありましたが、訴訟では、より実態を評価してもらうべきであると考え、障害等級は2級に相当し、就労能力は完全に失われているとの主張を強く行っていく方針を採用しました。
結果として、和解案の中では、あくまでも自賠責等級を重視した併合4級・労働能力喪失率92%という定型的な判断がなされましたが、他方で、医療記録を精査し、ご家族・ご本人からおうかがいした内容から、被害者の現在の生活状況を詳細に主張し、家族らによる介護状況や、手助けが必要となる理由・障害の具体的な内容を緻密に主張したことで、被告のADL自立であり介護不要とする主張を排斥することができました。
帰結としては、等級の内容通りにはなりましたが、それでも自賠責等級の認定結果に拘泥せず、実態をより詳細に議論したことで、介護料については、相当な認定を得ることができました。
当事務所では、当然、専門的に自賠責認定制度に照らした判断を行っている一方で、形式的な等級結果に留まらず、可能な限り、被害者ご本人やご家族が感じられている後遺障害による苦痛・支障が、十分に裁判において評価されるように常に尽力をしております。

②好意同乗減額は、加害車両に被害者が同乗していた場合に、加害者側から主張されることが多い過失相殺の要素の1つです。いわば、分かって乗車していたのだから一定の責任を被害者にも認めるべきだと言う理屈です。
しかしながら、本件では、あくまでも速度超過を行ったのは、乗車後の加害者自身の独自判断であり、被害者には非がないことを詳細に主張した結果、裁判所和解案において、過失相殺について、一切認めないという判断を得ることができました。
シートベルト不着用についても、本件では、過失としては評価しないものとなりました。
被害額が高額になる場合、1割の過失相殺でも、数百万円~1000万円以上賠償額が減殺されてしまいますので、本件でも、事故発生原因について詳細に主張を行うことで、過失相殺自体を回避することに繋がりました。