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遷延性意識障害

大学入学直前の男性が、遷延性意識障害となった事案につき、総額3億2,000万円以上の損害を認め、和解をした事例

本件は、同乗していて被害にあった事案であり、過失相殺は問題にならず、損害額のみが...

■遷延性意識障害(判例014)
■後遺障害等級:1級 確定年:2009年
裁判所認定額 約3億6,000万円
■和解

被害者データ 18歳 ・男性 (高校生)
被害者が友人の自動車に同乗していたところ、交差点で、トラックと衝突した事故。
遷延性意識障害 1級

認められた主な損害費目

将来介護費用

1億1,600万円

逸失利益

1億900万円

介護住宅改築費

1,400万円

介護設備費費用

1,100万円

将来介護雑費

900万円

介護車両費費用

300万円

慰謝料

2,900万円

その他

3,000万円

損害額

3億2,100万円

調整金※

1億900万円

総計

4 億3,000万円

既払控除(任意保険)

-3,000万円

既払控除(自賠責)

-4,000万円

最終金額

3 億6,000万円

(※弁護士費用及び遅延損害金相当額)

補足:最終和解額

本人分

3億6,000万円

両親慰謝料
(両親330万円ずつ)

660万円

詳細

本件は、同乗していて被害にあった事案であり、過失相殺は問題にならず、損害額のみが問題となった事案でした。

被害者のご両親が、本当に献身的に在宅介護を行っている事案であり、弁護士としても、その実態を、できるかぎり証拠化し、裁判所に詳細に伝える点に重点を置いて訴訟をすすめました。

大きな争点となったのは、以下の損害項目です。

1 将来介護料

 被害者の母親を中心にし、職業介護人(看護師による医療行為や理学療法士等によるリハビリを含む)の必要性と、それにかかる実費について、詳細に立証しました。また、母親がもともと職業を有しており、近親者介護のみを行うことが困難である事情も丁寧に立証しました。

 保険会社側は、遷延性意識障害者は、在宅介護ではなく施設介護で行うべきであると主張しましたが、適切な在宅介護を行っていることから、裁判所は、在宅介護を前提の将来介護料について和解案を提示しました。

 裁判所の和解案では、母親が67歳に至るまでの期間(19年間)については、年間介護料605万円(240日間は日額2万円、125日間は日額1万円)、その後については、職業介護人を利用することを前提に、年間介護料730万円(日額2まん延)、という高水準の将来介護料が認められました。

2 介護用設備費用及び自宅改築費

 遷延性意識障害の被害者の場合、天井走行リフト、車椅子、介護用ベッドなど、多くの介護用設備が必要になります。これらについて、一つ一つ、その必要性と、将来の買換回数(耐用年数に基づく)を証明していきました。その結果、将来の買換費用も含め、約1,074万円の損害が認められました。

また、本件では、在宅介護のために、被害者の自宅の隣接地を一部取得したうえで、大幅な増築工事をしており、その費用が約2,340万円がかかりました。この点についても、一つ一つの工事の必要性を立証した結果、このうちの6割である1,404万円の費用が認められました。

3 慰謝料について

 本件の慰謝料額2,900万円(傷害部分と後遺障害部分を含む)は、ネットワークの他の事例に比べると、若干低いですが、これは、加害者が友人であり、加害者自身の契約していた搭乗者傷害保険から1,700万円が別途支払われていることを考慮しているためです。

4 遅延損害金及び弁護士費用について

 裁判所の当初の和解案は、被害者本人に対して3億円という提案でした。

しかしながら、①事故から相当日数が経過していること、②そもそも逸失利益や介護料については既に5%で中間利息が控除されていること、③弁護士費用は加害者が負担するのは当然であること、などを主張し、3億円での和解案を拒否しました。最終的には、裁判所の当初和解案に、6,000万円を上乗せして、本人分だけで3億6,000万円での和解となりました。

なお、訴訟前に受領している自賠責保険金4,000万円、近親者分の賠償額660万円とあわせると、被害者が受領した金額は総額4億660万円となりました。

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