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遷延性意識障害1級・総額約3億5500万円を獲得

障害者総合支援法の公的給付について既経過分も含め損益相殺を否定

■遷延性意識障害(判例047)
■後遺障害等級:1級 確定年:2019年 和解
■名古屋地方裁判所管轄内

被害者データ 23歳 ・女性 (会社員)
女性 会社員(事故時23歳,症状固定時24歳)
同乗中のバイクが車と衝突し,同乗していた被害者が負傷した事故
遷延性意識障害1級

認められた主な損害費目

傷害慰謝料

約420万円

休業損害

約360万円

逸失利益

約6,380万円

将来介護料

約1億3,580万円

後遺障害慰謝料

2,800万円

住宅改造費

約2,660万円

福祉器具購入費用

約1,300万円

介護雑費

約940万円

成年後見費用

約1,090万円

その他

約670万円

損害額

約3億0,200万円

任意保険金控除

-約1,090万円

自賠責保険金控除

-4,000万円

*1)調整金

約5,500万円

近親者慰謝料

900万円

最終金額

約3億1,500万円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)自賠責保険金約4,000万円を加えて,総額約3億5,500万円を獲得した。

詳細

加害者の主張

①被害者の後遺障害が重度であることは否定しないが,その容体は安定し,夜間の介護を必要としないなど,他の遷延性意識障害の被害者と比較すれば,必要な介護量は限定されているから,控えめな介護料が認定されるべきである。

②さらに,被害者の介護料は,障害者総合支援法による公的給付によって賄われ,被害者には実際の支出(=損害)がほとんど生じていないことも考慮されるべきである。

裁判所の判断

①体位交換,オムツ交換,経管栄養,痰の吸引など,被害者のために必要な介護量は相応に多く,母67歳まで日額1万5000円,母67歳以降につき日額2万5000円の将来介護料を認める。

②障害者総合支援法による公的給付は,既経過分及び将来分を問わず,損害から控除すべきではない。

【当事務所のコメント/ポイント】

①はじめに

本件は,遷延性意識障害1級(事故時23歳)の被害者について,総額約約3億5,500万円という高額な解決をした事案である。

②将来介護料の日額単価

本件では,保険会社側から「将来介護費用の算定においては、裁判では控えめな算定をしなければならない。」という不当な主張が展開された。
そこで,当事務所では,体位交換,オムツ交換,経管栄養,痰の吸引など,四六時中の介護が必要であるとともに,複数人での介護が必要な場面も多く,遷延性意識障害1級の介護負担が極めて重いことを丁寧に立証した結果,控えめな算定という保険会社側の主張が排斥され,日額1万5000円(母67歳まで)あるいは2万5000円(母67歳以降)という将来介護料を獲得することができた。

③障害者総合支援法による公的給付の控除について

また,本件被害者の場合,障害者総合支援法による公的給付によって介護料の大部分が賄われていたため,実際には介護料について大きな負担がなかった(月額数万円程度の出費)。
しかし,障害者総合支援法は,障害者の福利増進を図ることをその目的とし,賠償義務者に対する代位規定や支給調整の規定がないことから,「損害賠償金の一部と評価されず」,既経過分及び将来分を問わず,その給付が損害から控除されることはない。これは、現在の交通賠償実務では確立した運用となっている。(労災保険給付の特別支給金が控除されないことと同じような趣旨である。)。本件でも,月額数万円という実際の支出にも関わらず,障害者総合支援法から給付されている分も含め,月額45万円~75万円という将来介護料が生涯に渡って認められた。
介護を必要としている方が利用できる公的給付や福祉制度には,労災保険給付,健康保険,介護保険,障害者総合支援法,ナスバ,障害者手帳など,様々なものが用意されている。これらの公的給付は,併用できるものとできないもの,損害から控除されるものと控除されないものなど,それぞれが異なる性質を有しており,各依頼者にとってどの公的給付を選択し,いつ受給するのが最適であるか,非常に難しい場面も多い。そして,その選択を誤れば,受け取ることができる金額に数千万円という大きな差が出るケースもある。当事務所では,豊富な経験に基づき,それぞれの依頼者に最善の公的給付を選択するとともに,最良の介護体制を構築することをサポートし,依頼者の利益を最大化することに特化した事務所である。