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遷延性意識障害

停車車両の後方で事故に遭った被害者について,45%の過失相殺を主張されるも過失ゼロとすることに成功

総額3億8000万円の高額解決事例

■遷延性意識障害(判例048)
■後遺障害等級:1級 確定年:2019年 和解
■さいたま地方裁判所管轄内

被害者データ 26歳 ・男性 (公務員)
男性 公務員(事故時26歳,症状固定時28歳)
駐車中の自動車の後ろで作業をしていた被害者に後続車両が追突した事故
遷延性意識障害1級

認められた主な損害費目

傷害慰謝料

400万円

休業損害

約590万円

逸失利益

約1億1,270万円

将来介護料

約1億2,100万円

後遺障害慰謝料

2,800万円

住宅改造費

約940万円

福祉器具購入費用

約1,450万円

介護雑費

約990万円

成年後見費用

約960万円

近親者慰謝料

750万円

その他

約500万円

損害額

約3億2,750万円

自賠責保険金控除

-4,000万円

*1)調整金

約5,250万円

最終金額

約3億4,000万円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)自賠責保険金約4,000万円を加えて,総額約3億8,000万円を獲得した。

詳細

加害者の主張

①車両の高速走行が予定され,駐車禁止規制がある片側3車線の交通頻繁な道路上において,車線上に車を駐車させた上,その後方で佇立作業を行うという危険な行為を行っていた被害者にも45%の過失が認められるというべきである。

②今後の公的サービスを含む被害者の介護体制は,サービスの変更や施設入所の可能性,介護機器類の進歩など,不確定要素が極めて多いから,将来介護料は控えめな認定がなされるべきである。

裁判所の判断

① 本件は、被害者が帰宅するため自宅近くの車道上に停車し,降車した直後に発生した事故であるから,車道上にいたことにつき,被害者側に過失相殺すべきほどの明らかな過失があったとは認め難い。

②被害者の症状の重篤さを考慮し,全期間につき,日額1万8000円の将来介護料を認める。

【当事務所のコメント/ポイント】

本件は,過失割合が激しく争われ,被告から45%という大きな過失相殺を主張されながら,結果的に「過失ゼロ」という判断を勝ち取った点で意義のある裁判であった。
被害者は,同僚の車で自宅近くまで送ってもらい,車から降りてトランクから荷物を取りだそうとしたところで後続車両に追突された。確かに,本件事故現場には駐車禁止規制があり,片側3車線の交通頻繁な道路ではあったから,歩行者の発見が難しい夜間という点も加味すれば,過失相殺がなされても決して不思議ではない事案であった。
しかし,被害者からしてみれば,「自宅前の車道で車から降りる」という至極当たり前な必要最低限の行為をしていただけであるから,冷静に分析をすれば,被害者に責められるべき点は何一つなかった。この点を的確に指摘した結果,裁判所の「過失なし」という判断を獲得することができた。
一見すると被害者側にも過失が認められそうな事案であっても,何故車道上にいたのか等,より詳細に行動を分析していくと,被害者に何ら落ち度がないという結論になる事案もあるので参考となる。

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