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高次脳機能障害

高次脳2級男児について介護の必要性を丁寧に立証し約1億4,000万円を獲得した事例

被害自転車の過失割合について基本過失3割の類型ながら加害者側の運転態様の問題を立証し過失相殺率を1割にとどめた例

■高次脳機能障害(判例118)
■後遺障害等級:2級 確定年:2012年和解
■山形地方裁判所管内

被害者データ 6歳 ・男児
受傷時6歳・固定時9歳 男性
信号機のない交差点を直進していた被害自転車に右折しようとした加害車両が前方不注意により衝突した
高次脳機能障害2級

認められた主な損害費目

将来介護費

約7,030万円

逸失利益

約6,200万円

傷害慰謝料

約340万円

後遺障害慰謝料

約2,370万円

その他

約1,360万円

損害総額

17,300万円

過失相殺(10%)

-約1,700万円

損害填補(任意保険)

-約2,900万円

損害填補(自賠責)(※2)

-約3,000万円

調整金(※1)

約4,500万円

総合計額

14,200万円

  ※1遅延損害金及び弁護士費用相当額を含む
※2訴外獲得の自賠責保険金約3,000万円と合わせて総額約1億7,200万円での解決となった。

詳細

加害者の主張

①身の回り動作能力について、「大部分介助」「全面介助」と評価されている項目はなく、身体機能面では健常者と変わりはなく、人格変化や認知障害はないとして常時介護は必要がないため、職業介護人も不要として争った。
②被害者にも過失があるとして3割の過失相殺を主張。

裁判所の判断

①当方からは、身体的機能の問題があること、また学校での聴取内容や報告内容についても証拠として提出し、10歳となった聴取当時においても意思疎通の困難や、執着性が見られること、集中力低下や処理能力の低下、対人関係の支障などを丁寧に主張立証した。その結果、裁判所和解案でも常時介護を必要とするものと認め、高校を卒業するとさらに家族の介護負担も増大すること、また母親も復職を望んでいることなどを考慮して、介護料については、高校卒業までは休日は日額6,000円、平日は日額2,500円、高校卒業以降は休日は日額6,000円、平日は日額1万2,000円(職業介護が必要)、母親が67歳以降は平日休日ともに日額1万2,000円とし、総額で7,000万円以上を認定した。
②事故状況について、刑事記録に基づいて緻密に立証し、事故原因の大半が加害者の前方不注視と早回り右折という不適法な運転方法によることを主張した結果、裁判所和解案でもこれらの点を認めて、被害自転車側の基本過失割合3割を大幅に修正して、被害者1割、加害者9割の過失割合を認定した。

当事務所のコメント

①カルテや診断書だけの記載となると、改善していく過程について多く記載されることもあり、また簡単な項目に対する数段階の評価だけでは、被害者に必要な介護やその介護負担の大きさが十分に伝わらないということは少なくありません。当事務所では、多くの若年層の高次脳機能障害の被害者の賠償をサポートしてきた実績があります。本件でも、その経験から、ご家族だけではなく、学校など周囲の第三者に対してもしっかりと聴取を行い、被害者の方に本当に必要な介護の状況を緻密に立証したことで、加害者の主張を斥け、高額な介護料を獲得することができました。
②事故態様についても、刑事記録を精査し、真に非難されるべき事故の原因が加害者にあることを立証していくことで、本件のように適切な過失割合の認定を得ることができます。

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