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高次脳機能障害

内縁関係が争われた事案

・内縁が認められた結果,主婦として高次脳1級の評価を受けた事案
・在宅介護の将来介護料が大きく争われた事案

■高次脳機能障害(判例154)
■後遺障害等級:1級 確定年:2016年 和解
■横浜地方裁判所管轄内

被害者データ 39歳 ・女性 (兼業主婦)
女性 兼業主婦(事故時39歳、症状固定時41歳)
道路を横断歩行中に自動車に轢かれた事故
高次脳機能障害1級

認められた主な損害費目

治療費

約760万円

休業損害

約820万円

傷害慰謝料

約480万円

逸失利益

約5,100万円

後遺障害慰謝料

約2,800万円

将来介護料

約1億0,970万円

住宅購入費

約565万円

介護機器等購入費・介護雑費

約1,000万円

その他

約1,100万円

損害額

約2億3,600万円

過失相殺30%控除

-約7,080万円

任意保険金控除

-約1,040万円

労災保険金控除

-約800万円

自賠責保険金控除

-約4,000万円

*1)調整金

約4,070万円

近親者慰謝料

約250万円

最終金額

約1億5,000万円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)自賠責保険金4,000万円,人身傷害保険金6,000万円を加えて,総額約2億5,000万円を獲得した。

詳細

加害者の主張

①事故現場は道幅の広い幹線道路であるにも関わらず,被害者が突然加害車両の前に飛び出してきたものであるから,被害者の過失は40%を下回らない。
②原告は,被害者が事故以前に内縁の夫のために家事労働に従事していた旨主張するが,同人が内縁の夫であるとは認められない。また,仮に事故当時は内縁の夫であったとしてもその関係は流動的であり,事故がなければ将来継続的に内縁関係を継続し,家事に従事していたとは認められない。
したがって,兼業主婦とは認められず,事故前年の収入約240万円を基礎に休業損害,逸失利益を算定すべきである。
③重篤な被害者の介護としては,施設に入る方が充実した介護を期待できる。そうであるにも関わらず,あえて費用面でも高い在宅介護を選択することは,原告の自由であるとしても,その在宅介護の費用を被告が負担しなければならない謂われはない。

裁判所の判断

①事故現場が道幅の広い車道であり,被害者が突然被告車両の前に出たという事情がある一方,被告にも被害者の発見が遅れた過失があるから,被害者の過失を30%とする。
②被害者の現実の収入額は約240万円であったが,就労しながら家事を行っていた兼業主婦であるから,女性の平均賃金約350万円を基礎収入とする。
③被害者の在宅介護は,常時2名以上の者で行う必要があるほどその負担は重い。また,将来的には,主たる介護者である被害者の母が高齢となり,全てを職業介護人に頼らざるを得なくなると,現在よりも介護費用が高額になることが見込まれる。その一方で,将来的に被害者が介護施設に入所する可能性も否定し得ない(在宅介護料>施設介護料)。
以上の事情を考慮し,日額1万7,000円として将来介護料を認める。

当事務所のコメント/ポイント

本件では,被害者の介護を担えるのが高齢の母しかいなかった。そのため,入院していた病院関係者から,在宅での介護が難しいのではないかとの指摘を受け,被告からも,より費用のかからない施設介護によるべきであると主張された。
しかし,重度後遺障害の方の案件を百件以上お手伝いしてきた当事務所の経験からすると,在宅介護においてご家族が常にそばに寄り添ってあげることこそが最善の介護であって,施設介護と比較した場合,意識回復を含め,その後の被害者の回復経過が全く別物となる。それ故,当事務所では,基本理念として,できる限り在宅での介護をお勧めしているところである。
そして,在宅介護を行う場合には,職業介護人(ヘルパー,看護師等)を利用することが可能であり,その利用費用を賠償金として請求することができる。加えて,介護保険等の公的支援もあることから,充実した介護体制を整えることが可能となる。
もっとも,介護環境を整備し,その費用を賠償上しっかりと請求し認められるためには,弁護士としても特に専門的な知識が必要である。当事務所は,重度後遺障害の方の案件を中心的に扱っており,その点においては他の弁護士を凌駕しているものと自負している。

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