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高次脳機能障害

高次脳5級を異議申立して2級を認定

相手は既存障害12級の影響が大きいものとして争うも,独自に意見書を取り付け被告の主張を排斥

■高次脳機能障害(判例96)
■後遺障害等級:2級 確定年:2009年 和解
■大阪高等裁判所管轄内

被害者データ 59歳 ・男性 (会社員)
男性 会社員 受傷時59歳 症状固定時60歳
双方原付バイクの直進車同士の衝突事故。加害者側に一時停止規制があった。
脳外傷による高次脳機能障害2級 既存障害12級13号

認められた主な損害費目

休業損害

約450万円

傷害慰謝料

約200万円

逸失利益

約2,800万円

将来介護料

約7,200万円

後遺障害慰謝料

約2,400万円

その他

約400万円

損害額

約1億3,900万円

素因減額10%控除後

約1億2,600万円

過失20%控除後

約1億円

自賠責保険金控除

-約2,800万円

近親者慰謝料

約500万円

*1)調整金

約1,000万円

最終金額

8,700万円

*1)調整金とは,弁護士費用,遅延損害金相当
*2)自賠責保険金約2,800万円を加えて,総額約1億1,500万円を獲得した。

詳細

・加害者の主張

①  被告が独自に依頼した医師の意見書に基づき,原告の高次脳機能障害は5級ないし3級に該当すると主張
②  原告は以前の事故によって脳外傷を負っており,本件事故による高次脳機能障害2級という重い結果は,その既存障害(被告は9級と主張)によってもたらされたものである(5割の素因減額を主張)。

・裁判所の判断

①  自賠責の等級認定,及び原告側医師の見解を尊重し,原告の高次脳機能障害を2級相当と判断した。
② 素因減額(以前の事故による既存障害の影響)についても,原告側医師意見書に基づく原告の主張を採用し,10%とした。
②  その他将来介護費用は日額1万5,000 円とし,総額約7,200万円を認めた。

当事務所のコメント/ポイント

 本件は,当事務所に依頼に来た時点では,自賠責において高次脳機能障害5級との認定を受けていた。しかし,担当主治医の協力のもと,当事務所が異議申立てを行った結果,2級という結果が得られた。

 そのような経緯もあったことから,裁判において被告は,被告側医師の意見書を取付けた上で,原告の高次脳機能障害が5級相当との主張を展開した。しかし,原告の方でも独自に医師の意見書を取付け,被告の主張を排斥したところ,裁判所も原告主張のとおり2級と判断した。また,素因減額についても,被告側50%の主張を10%に抑えることができた。

本件のように,保険会社(被告)が提携している医師の意見書(当然,被害者の後遺障害は軽く書かれている。)を提出してくることは往々にしてある。このような場合,当事務所は,高次脳機能障害に関して著名な医師と協力関係にあるため,独自に意見書を取り付けることによって,被告側医師の意見書に対して反論することができる。

 脳外傷を専門的に取り扱い,脳外傷専門医と協力関係にある当事務所の力が存分に発揮された事案である。

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