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高次脳機能障害

高次脳3級13歳女性事故後に調理師専門学校に進学、障害等級争われるも自賠責認定を維持

加害者は被害者が道路右側走行から右折したとして加害者側からの視認性を低下させたとして被害者過失25%を主張したが和解では被害者過失15%と認定

■高次脳機能障害(判例99)
■後遺障害等級:3級 確定年:2010年和解
■千葉地裁管内

被害者データ 13歳 ・女性 (学生)
受傷時13歳・症状固定時16歳・女性(学生)
信号機のない交差点に進入しようとした加害車両と右折進入した被害者自転車の衝突事故
高次脳機能障害3級

認められた主な損害費目

逸失利益

約7,400万円

将来介護費

約4,230万円

傷害慰謝料

約250万円

後遺障害慰謝料

約1,800万円

その他

約620万円

ご本人損害額

14,300万円

過失相殺(15%)

-約2,150万円

損害填補(任意)

-約50万円

損害填補(人身傷害保険)

-約3700万円

弁護士費用

約600万円

近親者慰謝料

約100万円

調整金(※1)

約700万円

最終金額

9,800万円

※1弁護士費用及び遅延損害金相当額
※2訴外獲得の自賠責保険金約2,200万円、人身傷害保険金約5,800万円を併せた総獲得金額は約1億7,800万円となる。

詳細

加害者の主張

①事故後に調理師専門学校に通学しており、性格変化は思春期も影響しているため被害者の高次脳機能障害は5級程度である
②被害者は右側を走行しており加害者側からの発見困難としたことを理由に25%の過失相殺を主張

裁判所の判断

①被害者が事故後に入学した調理師専門学校は特段の入学試験もないこと、通学、日常の寝食等が出来ていたとしても感情制御や抑うつ性等を併せた社会的行動障害等があること、日常生活上も基本的な身の回りの動作ができても、外出時の身支度で持ち物が見つからず騒ぐ等、実際上は見守りや声掛け等による支援が必要となっていること等を詳細に主張し、自賠責の認定が妥当であることを主張立証した。また思春期の影響についても、不良的な行動の理由について、周囲の影響を極端に受けやすくなっているという高次脳機能障害によるものであることを主張立証した。その結果、裁判上の和解においても、高次脳3級が維持された。
②本件の事故類型においては基本的な過失割合は被害者側が15%であるところ、加害者が主張する被害自転車の右側走行は何らの客観的証拠もなく、また本件現場の具体的な状況からして右側・左側のいずれを走行しても視認状況に影響しないとして10%の加算修正は認められないと主張し、和解案でも被害者の過失割合は15%に留められた。
③和解金額は約9,800万円となり、最終的な総獲得金額は約1億7,800万円となった。

当事務所のコメント

①高次脳機能障害といっても被害者ごとに問題となる症状は様々であり、年齢や生活環境に照らして就労能力や生活能力に影響を及ぼす具体的な症状を指摘していくことが賠償の場面では重要となります。自立しているように見える行動ばかりを指摘して等級が争われた場合でも、医師や関係者、家族からの詳細な聴取に基づいて症状の重大性を立証していくことが適切な賠償金の獲得に繋がります。
②過失認定においては、加害者は被害者に不利な事情を自ら立証することが求められますが、本件では可能性を指摘するに留まっており、証拠による立証がないこと等を指摘しました。

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